若手アニメーター育成事業「アニメミライ」が軌道に

2010年度に始まった若手アニメーターを育てる文化庁の人材育成事業「アニメミライ」が軌道に乗ってきた。経験3年以下のアニメーター約30人が第一線で活躍する監督らとオリジナルの短編4作品を制作し、その過程で作画の基礎を学ぶ取り組みで、2011年度も継続して実施。完成作は東京・新宿バルト9など各地の劇場で3月に公開される。

同事業の背景には、アニメ産業の空洞化で若手が育ちにくくなったという危機感がある。1~3年目の若手は人物などの動きを描く「動画」をこなして基礎を身につけた上でポーズを描く「原画」マンに昇格、そして作画監督や演出家を目指すのが一般的だ。だが近年の不況でテレビアニメなどの制作費が抑えられる中で、「動画」がコストの安い中国や韓国の海外に流出。若手が担う仕事が激減し、成長の土台が崩れつつある。
1月中旬に都内で開かれた「アニメミライ」を広くアピールするための会見には、文化庁の委託を受け同事業を行う日本アニメーター・演出協会の山崎理代表理事が出席した。「制作のデジタル化で分業が広がり、新人がベテランと共に仕事をする機会が少なくなった」と指摘、「優秀なアニメーターを育てるために、事業をもっと世間に浸透させたい。完成作を多くの人に見てほしい」と訴えた。

アニメミライ
日本アニメーター・演出協会

京都を国際的なコンテンツ発信地に、府と市がコンテンツ特区構想を発表

京都府と京都市は20日、映画や映像、アニメの国際的な制作拠点として発展させるコンテンツ特区構想を発表した。東映や松竹の京都撮影所などが集まる太秦地区などを候補地として、法人税減免や規制緩和で企業を呼び込む。海外への事業展開を支援する公的なファンド創設も検討し、コンテンツ分野で任天堂に続く世界的企業の育成をめざす。

同日、山田啓二知事と門川大作市長が共同発表した。規制緩和を通じて地域活性化につなげる総合特区として年度内に国に申請する。認定されれば、コンテンツ分野として初めてとなる。
ゲームやアニメ、映画などは相互の提携関係が組みやすく、京都市内の関連産業の厚みが増せば国際競争力の向上につながるとみる。呼び込むに当たり税優遇のほか、建築基準法の改正などによる用途規制の緩和を想定。既設企業による設備投資の軽減も狙う。
海外のドラマなどの撮影誘致では、海外スタッフの就労ビザの緩和を盛り込む。府内にロケ撮影に特化した地区を設置する。八幡市・京田辺市の木津川周辺には常設のオープンセットを新設。天橋立などを抱える府北部の整備も進める。

ハドソン、ブランド残しコナミに吸収

コナミは19日、ゲームソフト開発のハドソンを3月1日付で吸収合併することを決めた。
「ボンバーマン」「桃太郎電鉄」など、かつて任天堂のファミリーコンピュータの人気ソフトでブランドを確立したハドソンは携帯電話向けゲーム対応で先行、コナミもその将来性に目をつけた。コナミの支援を受けていたが身の丈以上の開発投資で経営が行き詰まり、ブランドだけ残して約40年の歴史に幕を閉じる。

「他分野にチャレンジする社風だ」と業界でハドソンはこう評されてきた。いちはやく携帯向けゲームに参入し、コナミがハドソンに出資した狙いも同社のノウハウ吸収にあった。だがハドソンは名声を得た家庭用ゲーム機分野での開発戦略の失敗で深手を負い、自力で立ち直れなかった。動画を駆使する家庭用ゲーム機ソフトは開発費が高騰し、業界では2003年にスクウェアとエニックス(現スクウェア・エニックス・ホールディングス)が合併するなど経営環境は悪化していた。ハドソンも思うようにヒットを連発できず、2001年にはコナミの傘下に入り、昨年4月には完全子会社となっていた。
ハドソン開発部隊の大半はコナミのソーシャルゲーム事業に振り分けられており、吸収後も大きな体制変化はなさそうだ。