バンダイナムコゲームスやコナミデジタルエンタテインメントなどゲーム大手は、3D映像に対応したアミューズメント施設向けゲーム機に参入する。バンダイナムコは大画面のガンシューティングゲームなど2機種を開発し、コナミもレースゲームを展開する。景気後退などで利用者数が伸び悩むなか、3Dゲーム機を施設の集客に役立てる。
両社が投入するのはいずれも専用の眼鏡を使う方式。
バンダイナムコはガンシューティングゲームの「デッドストームパイレーツ」を来春にも施設向けに投入する。利用料金は通常より高い300~400円を想定している。ドライブレースの3Dゲーム機も順次展開する。ゲームセンターだけではなく、テーマパークなどでの需要も見込む。国内に加え、北米やアジア地域での展開も視野に入れる。
コナミはドライブゲーム「ロードファイターズ」を9月中にも発売する。望遠鏡のような専用眼鏡がゲーム機に備え付けてあり、利用者は好みに応じて位置を調整できる。通常の2D画面に切り替えたり、別の施設の利用者とインターネットを通じて対戦できたりする機能も取り入れる。
2010/09/03, 日本経済新聞 夕刊より
インデックス・ホールディングス(HD)は30日、連結子会社のインデックスと100%子会社のアトラスを10月1日付で吸収合併すると発表した。
不採算事業の売却などリストラの一環で、主力子会社2社の吸収合併によりグループ再編にメドを付ける。インデックスHDはインデックスの議決権の約96%を保有。HD以外のインデックス株主に対し1株につき940株のHD株を割り当てる。ゲーム事業のアトラスブランドは継承する。
2010/08/31, 日本経済新聞 朝刊より
ゲーム会社が4~9月期(上期)の新製品投入を増やして、下期に偏りがちな収益を平準化させようとしている。新作ゲームソフトの発売が重なるクリスマス商戦以外の時期に、玩具類や遊技機などの新製品を分散投入する。
バンダイナムコホールディングスやセガサミーホールディングスは、2010年4~6月期の連結営業利益が通期予想のそれぞれ27%、37%に達し、収益の平準化戦略が実を結びつつある。
ゲーム会社は利益の大半を下期に稼ぐところが多く、業績や現金収支の季節変動軽減が課題になっている。
バンナムHDは主力ゲームソフトの発売が下期に集中するため、玩具類の投入時期を分散し「四半期ごとのムラをできるだけなくしていく」(浅古有寿執行役員)戦略だ。4~6月期には利益率の高いカードゲームやヨーヨーの新製品を発売し、顧客層を拡大。その成果で前年同期に27億円の赤字だった営業損益が29億円の黒字に転換した。
セガサミーはゲームソフトの手薄な時期を、遊技機の新作投入で補う。4~6月期には前年同期より5タイトル多い8タイトルを発売した。2011年3月期通期では、前期と同じ25タイトルを投入する計画で、4~6月期の投入割合を高めた。この結果、第1四半期の営業損益は149億円の黒字(前年同期は78億円の赤字)に浮上した。
2010/08/24,日本経済新聞 朝刊より
ゲームやネット関連企業が現実社会と連動したゲーム「リアゲー」の展開に乗り出している。物販やサービスのマーケティングに活用する動きもあり、ゲーム市場の新分野へと成長しつつある。
7月上旬、静岡県熱海市にニンテンドーDSを携えた男性約250人が集まった。ゲーム内の“恋人”と記念撮影をするためだ。
このイベントは携帯型恋愛ゲーム「ラブプラス+」を開発したコナミデジタルエンタテインメントと熱海市の旅館や観光協会などが共催。初日の記念式典には熱海市長もかけつけあいさつした。
ラブプラスはゲーム内のキャラクターと高校生活を通じて交流するストーリー。拡張現実(AR)の技術を使うと、DSのカメラで写した現実の景色上に、キャラクターが映し出される。は観光スポットで、浴衣など熱海限定のスタイルになったキャラクターと写真撮影できるようにした。コナミでは「今後もキャラクターの服装や髪形、物語などを増やし現実の世界を巻き込んでいく」という。
「リアゲーが次世代ゲームの新潮流になる」。7月末ゲームサイト「ハンゲーム」を手掛ける韓国ポータルサイト最大手NHNの日本法人、森川亮社長は集まったゲーム業界の関係者らを前にこう宣言した。
ハンゲームはSNS向けゲームやアバター販売などが主力だが、7月末からは実際の天気で雨が降るとキャラクターが成長しやすくなる育成ゲーム「ねんどん」を開始した。9月配信予定のロールプレイングゲーム「トライフルストーリー」では、キャラクターのパワーが高まる時間帯を分ける。
実生活で役立つ特典がもらえるサービス「イマコレ」も展開。宅配ピザの「ピザーラ」と組み、イマコレで時間、場所、現象などの課題をクリアするとピザーラで使える特別カードを送る。他社が自由に連動できる仕組みにもする予定だ。
6日から携帯電話の位置情報を利用して日本全国のパワースポットを制覇するゲーム「スピトラ」を提供するのは、携帯向けコンテンツ配信のザッパラス。
実際に神社仏閣や名所など約800カ所を制覇していく。クリアするたびにカードがもらえ、ゲーム進行状況によってオリジナルのキャラクターが成長する。「今後、協力できる企業を探していきたい」(ザッパラス)。
飲食店などとの協業を打ち出すのは、携帯向け情報配信のGNT(東京・渋谷、ホー・トゥン・ラム社長)。実際の店舗と連携するオンラインゲームを、運営するSNSで7月上旬から開始した。
商店街育成ゲーム「つくろう!みんなの商店街」は、仮想的な自分の街に飲食店やショッピングセンターといった店舗を建設して、収益を上げる。運営するSNS「モビオン」の会員向けで、携帯電話で遊べる。利用者がゲームに協力する実際の店舗に行くと、その店をゲーム内に登場させることが可能だ。
「おサイフケータイ」を店頭の端末にかざすと、ゲーム内に取り込める実店舗の画像やゲームで利用できるポイントを入手できる。店頭の端末では、協力店舗が発行するクーポンなども購入できる。
リアゲーを新戦略に据えるNHN日本法人の森川亮社長に狙いを聞いた。
・リアゲーは従来のゲームと何が違うのか
「ゲームは飽きられる消耗品のようなもの。単純なゲームは特にそうだ。だが、世の中と常につながっているという概念を入れると、1人で楽しむゲームとは違った価値が生まれる」
・ゲームの収益源はアイテムへの課金がモデルになりつつある
「実社会と連動したゲームのプラットフォーム『イマコレ』では、広告展開もできるし、クーポン、Eコマースなどにもつなげていける。クーポンなどは人がつながるためのゲームの要素としても有効活用できるだろう」
・SNSではディー・エヌ・エー(DeNA)やグリーが先行している
「我々の強みはパソコン、携帯電話、スマートフォンのすべてにサービスを提供できることだ。アクション性の高いゲームも生かすためには、特にスマートフォンに力を入れたい」
2010/08/06,日経産業新聞より
ゲームなどコンテンツを開発する人材・技術の争奪戦が激しさを増している。国内SNS各社にとっては、他社よりも早く質の高いコンテンツを供給することが会員の獲得に直結するからだ。ゲーム会社などのM&Aも活発になっており、覇権争いは世界に広がっている。
グリーは今年3月末時点の社員数が約130人と1年で4割程度増加、DeNAも約450人と、3年で2倍に急増している。両社とも積極採用しているのはSNS向けゲームの企画・デザインやサーバー・ネットワークシステムの開発人員。幹部や社員の中には大手ネット会社からの転職組も多い。
DeNAの南場智子社長は「IT企業は人材がすべて。変化の早い市場で質の高い企画力を実現できる人材をたくさん抱えることが必要」と強調。グリーの田中良和社長も「市場の変化が早いため即戦力となる人材をできるだけ多く集めたい」と話す。
囲い込みに動くのは人材ばかりではない。ミクシィ、DeNA、グリーの3社はともに設立10年前後のベンチャー企業ながら、相次いでベンチャー投資ファンドを設立。「投資される側から投資する側」へと転身し、技術やコンテンツの獲得を急いでいる。
各社が囲い込み戦略を急ぐのは、交流サイトや無料ゲームといったプラットフォームの価値が、参加人数で決まるからだ。優良なコンテンツで人を集め、絶え間なく新しいコンテンツを供給することでつなぎ留めなければ、すぐに参加者の減少を招き、勝ち負けが逆転してしまう。
2010/07/30, 日経産業新聞より