ゲーム各社は2011年3月期に新作のゲーム数を絞り、開発費などを削減する。ソフトが供給過多になると、1作品あたりの販売本数の伸びが鈍化し業績の足かせになりかねないため、これを防ぐのが狙い。
セガサミーは今期に発売予定のタイトル数を、海外中心に前期比で10減らし56に絞る。この結果、研究開発やコンテンツ制作の費用を前期比で15億円削減する。タイトル数の減少などでゲームソフト関連の売上高は18%減の1000億円の見通し。費用削減などが奏功し、営業利益は11%増の70億円になる見通し。売上高営業利益率は1.8ポイント改善する。
コーエーテクモホールディングスも国内外で11タイトル程度減らし、外注加工費を約12%削減、35億円(前期は40億円弱)に抑える。同社は一部ソフトの販売が今期にずれ込み費用が先行したため、前期のゲームソフト事業の営業利益が7億円強と低迷したが、今期は43億円と大幅改善(営業利益率は14ポイント強改善)する見通し。
タイトル数の削減には開発計画を管理しやすくなる利点もある。コナミは傘下のハドソンも含め1割程度のタイトルを減らすもよう。「制作過程のタイトル開発の中止を防げる」(管理本部)という。開発者などを集中させることで品質向上を図る。
2010/07/09,日本経済新聞 朝刊より
任天堂の岩田聡社長は日本経済新聞の取材に対し、ニンテンドー3DSで、ゲームソフト製作会社との連携を強化する方針を明らかにした。自社ソフトのヒットを通じゲーム機の販売を伸ばす戦略を修正、他社の有力ソフトを取り込み新たなユーザーを獲得する。
3DSの開発にあたっては、ソフト各社の要望を「可能な限り取り入れた」と指摘。同時に3Dゲーム機への対応を積極的に働きかけたことを明らかにした。各社との連携については「任天堂にもソフトメーカーにも良いこと」と述べ、協調姿勢を鮮明にした。
3DSにはスクウェア・エニックスの「キングダムハーツ」、カプコンの「バイオハザード」など、20社以上のメーカーの有力ソフトを投入する方針。「熱心なファン向けの凝ったゲームにまで幅を広げる」という。
従来機はゲームになじみのない人にも手軽に楽しめるソフトが多く、「高度なグラフィックを求めるファンには満足してもらえなかったかもしれない」と述べ、愛好家向けソフト作りのノウハウは任天堂社内には乏しいため、他社との連携で品ぞろえを充実させる。
また「新しいハードはセキュリティの仕組みを作り替える絶好のチャンス」とし、海賊版対策を拡充する意向を示した。
据え置き型ゲーム機「Wii」の後継機種でも3Dへの対応を準備する方針だが、「3Dテレビは短期間では普及しない」とも語り、本格展開には時間がかかるとの見方を示した。
2010/06/24,日本経済新聞 朝刊より
ニンテンドーDS、Wiiをけん引役に急速に業績を伸ばしてきた任天堂の成長がついに止まった。6日に発表した2010年3月期連結決算は、純利益が前の期比18%減の2286億円と6期ぶりの減益。前期の売上高は22%減の1兆4343億円、営業利益は36%減の3565億円だった。
「年末商戦が本格化するまでWiiが世界的によくなかった」「DSは欧州で販売数が減った」。大阪市内で記者会見した岩田聡社長は決算内容を淡々と振り返った。
岩田社長が「最も恐れるもの」と常々口にするのがユーザーの“飽き”。DSは発売から5年半、Wiiも3年半が経過し、現実のものとなりつつある。2011年3月期も減収減益の見通し。
今年度は新たな成長に向けた布石として眼鏡なしで3D画像を楽しめる3Dゲーム機「ニンテンドー3DS(仮称)」を発売する。従来のDSのソフトも利用できるようにし、ユーザーの拡大につなげたい考えだ。
「3DSはDSではできない何かができる」。岩田社長は会見で3DSの具体的な機能についての明言は避けつつ、自信の表情を浮かべた。本格的な業績への寄与は来期以降になるが、3Dならではのリアルな画質を生かしアクションやシューティングなどで有力ソフトが生まれれば人気を呼ぶ可能性はある。
5月末に日本でも発売になる米アップルの多機能携帯端末「iPad」向けにバンダイナムコゲームスやセガ、カプコンなど有力メーカーがソフトを配信するなど競争環境は厳しさを増している。
「単純に『3D』というだけでヒットにつながるかは疑問」(みずほ証券の小山武史シニアアナリスト)との指摘もある。
実際、任天堂は1995年に据え置き型の3Dゲーム機「バーチャルボーイ」を発売しながら、鳴かず飛ばずのまま生産を停止した経験を持つ。、世界全体で120万台ほどの出荷にとどまった。
会見ではWiiに続く据え置き型ゲーム機の開発についても質問が出たが、岩田社長は「常に研究はしている」と述べるにとどめ、具体的な方針は示さなかった。中国をはじめとする新興市場の開拓についても「同時にいくつものことをやるとパワーが分散してしまう」として早期の展開には否定的な見解を示した。
いまのところ3DSのほかに目を引く“次の一手”は見えてこない。逆にいえば3DSの正否が当面の任天堂の浮沈を左右することになる。
2010/05/07,日経産業新聞より
バンダイナムコホールディングスの2011年3月期の連結営業利益は、前期推定比10倍の100億円前後になりそうだ。ゲームソフトで大型タイトルを複数発売するほか、販売費・一般管理費などのコストを80億円減らす。今期末までにグループ全体の社員数の約1割にあたる630人を削減することも寄与する。
売上高は5%増の3990億円前後、経常利益は19倍の95億円前後の見込み。最終損益は50億円前後の黒字(前期推定は310億円の赤字)を目指す。
ゲーム事業の売り上げを1520億円程度と約1割増やす。6月発売のPS3向けソフトなど5~6タイトルについて全世界で各100万本以上の販売を目指す。
4月時点で国内約220店あるアミューズメント施設は3割強の店舗で売上高が前年同月を超え、回復傾向にある。
前期に50億円前後の営業赤字に転落したゲーム事業の黒字転換を図る。
2010/04/17,日本経済新聞 朝刊より