調査会社のシード・プランニングは裸眼で3D映像を楽しめる製品の国内市場規模が2015年に約486万台になるとの見通しをまとめた。3D対応コンテンツの増加で家庭用携帯ゲーム機や携帯電話などで普及が進み、4~5万台だった2009年の約100倍に拡大すると分析している。
内訳は家庭用携帯ゲーム機と携帯電話がそれぞれ150万台と最も多く、次いでデジタルカメラ(50万台)、デジタルフォトフレーム(45万台)と続く。一方、裸眼で3Dが見られるテレビは20万台の見通しで、専用メガネをかけて見るタイプを含めた3Dテレビ全体の5%程度にとどまるとみている。
2010/09/02,日経産業新聞より
エイベックス・グループ・ホールディングスは30日、2010年4~9月期の連結最終損益が30億円の黒字(前年同期は4億7600万円の赤字)になる見通しと発表した。従来予想は5億円の黒字。前期にあった人気アーティストのアルバム発売に伴う費用が減るうえ、人気アニメ「ワンピース」の主題歌集やDVDの販売が好調なため。
売上高は前年同期比1%増の589億円と、当初計画を33億円上回る見通し。第3四半期以降を予定していたアーティスト「JUNSU/JEJUNG/YUCHUN」のCD発売が前倒しになることが上振れ要因となる。「ワンピース」で登場キャラクター別のDVDボックスや主題歌集の販売が伸びていることも寄与する。
営業利益は3.2倍の54億円と期初計画を41億円上回る見込みだ。人気アーティスト「東方神起」の原盤権の他社保有分を前期に買い取ったことで、ベストアルバムの発売コストが低下した。ただ同社では前倒し販売が4~9月期の業績を押し上げた要因もあるとして、通期の見通しは据え置いた。
2010/08/31,日本経済新聞 朝刊より
民間調査会社のGfKジャパン(東京・中野)がまとめた2010年1~6月期の国内映像ソフトの市場規模は、金額ベースで前年同期比1%減の1148億円、数量では同2%増の2915万枚だった。
平均販売価格の下落により金額べースで前年割れとなる中、ネット通販などの「Eコマース」が伸びている。
販売経路別の構成比(金額ベース)は「Eコマース」が41%で首位。2位の「メディアストア」(36%)を上回った。数量ベースでは「メディアストア」が首位を維持したが、「Eコマース」との差は縮小しており「今後も同様の傾向が続く」(GfKジャパン)としている。
映像ソフト市場全体のうち、ブルーレイ・ディスク(BD)ソフトは前年同期比で約2倍の成長を続けており、今年1~6月期は167億円だった。
2010/08/25, 日経産業新聞より
注目を浴びる3D映像。新しい技術と思われがちだが、すでに20年以上の歴史を持つ企業がある。ソニー子会社で映像制作を手掛けるソニーPCL(東京・品川)だ。長年の技術の蓄積を生かそうと事業拡大に乗り出した。
実は3D映像をつくること自体は難しくない。人の両目のように2台のカメラを並べて撮影し、それぞれの映像を連続的に表示すれば立体的に見せることは可能。だが長時間、見続けても目が疲れないなど「快適なコンテンツをつくるのは難しい」(PCLの大場省介・3D戦略室チーフプロデューサー)。そこでPCLの技術の蓄積が武器になる。
まず撮影現場。場面ごとに効果的な3D映像の撮影法は異なる。PCLでは「ステレオグラファー」と呼ぶ専門家が現場に同行し、場面に応じてカメラの位置関係を調整。撮影した映像をその場でモニターで確認しながら撮影を進めていく。
撮影後の編集も職人技だ。PCLの映像センターでは技術者が映画館のような編集室にこもり、大型スクリーンに目をこらす。映像の飛び出し感は十分か、画面全体で被写体の前後関係に違和感はないか、色合いは適切か。編集機器を操作しながら、1コマ1コマを丁寧に修正する。
ソニーPCLは1951年創業で映画用フィルムの現像所からスタート。映像コンテンツの企画・制作に手を広げ、1980年代半ばから3D映像の制作に参入した。発電所のPRビデオから長野オリンピックの中継、愛知万博のパビリオンまで様々な仕事をこなし、3D時代の本格到来を見据えノウハウを蓄えてきた。
過去にも何回か3Dブームが到来したが、いずれも定着せずに終わった。だが最近はデジタルデータを送る高速通信の環境が整い、モニターの表示技術も発達。「今回はブームで終わらない」(大場氏)とみて事業拡大に乗り出した。
6月にはカメラなど3D撮影用の機材を7セットから12セットに増設。3D対応専用の編集室も計2室に拡充し、3D映像をBDのパッケージソフトに加工する受託サービスも開始した。「3Dで撮影から制作まで手掛ける企業としてアジア最大」(大場氏)と自負する。
拡大路線を推し進めるのはPCL自身のためだけではない。ソニーは「レンズからリビングルームまで」を掲げ、撮影用カメラから家庭のテレビ、ゲーム機まで製品全般で3D機能を強化する方針だ。ハードの売り上げ拡大には3Dを楽しむ機会を増やす必要があり、コンテンツ制作の前線を担うPCLの役割は高まってきた。
PCLは3Dコンテンツを発注するユーザーの要望をソニー本体の開発部隊にもフィードバック。2012年度に3D関連で1兆円。ソニーグループが掲げる目標の達成に向け、重要な一翼を担っていく構えだ。
2010/08/18, 日経産業新聞より