日本テレビ放送網の2010年3月期の映画事業の営業利益は23億円と前期の約2倍に拡大、過去最高になりそうだ。作品への出資比率を高めたため配給収入が伸びた。本業ではテレビ広告収入が苦戦するなか、映画事業の重要性が増している。
売上高は前期比12%増の149億円で過去最高。利益が大幅に伸びたのは出資比率の高い幹事作品が人気を集めたためだ。前期中に費用を計上した3月公開の「ヤッターマン」の興行収入が堅調だったことも利益を押し上げた。
日テレの出資作品は今期、前期より3本少ない12本。「20世紀少年」の来場者数は352万人、興行収入は約44億円、「ごくせん」は298万人、約35億円とヒットした。「カイジ 人生逆転ゲーム」、「僕の初恋をキミに捧ぐ」なども人気を集めた。
2011年3月期には14本の公開を予定。7月にはスタジオジブリの新作アニメ「借りぐらしのアリエッティ」、秋には「BECK」などの公開が控える。細川知正社長は「今年を上回る収入を想定している」と話している。
2010/03/11,日本経済新聞 朝刊より
携帯電話の「着うた」や「着メロ」の購入が急減している。
2009年の着うた平均ダウンロード数は2008年比で3割減。原因は主な利用者である女子高生など若者の着うた離れ。携帯では鳴らす機会の限られる着うたより無料ゲームなどを楽しみ、個性を示すのはブログでと、志向が変わったことが背景にあるようだ。
携帯向け配信最大手のレコチョクの利用者のうち15~24歳は約680万人で全体の4割弱を占める。平均の約2倍と圧倒的に利用が多かったのがこうした女子高生だ。
しかし最近では「鳴らすと周りに迷惑だし、着うたはほとんど買わなくなった」と都内の高校に通う3年生の女子生徒たちは最近の携帯事情をこう説明する。
利用減の要因の一つは価格だ。着うた配信料は1曲あたり100~150円前後。2009年の高校生の小遣い額が前年を約11%下回るなか、代わって利用が増えているのが携帯電話向けゲーム。無料で楽しめ種類も多い。
携帯ゲームの「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エーは2009年10月に友達と一緒に楽しめる「ソーシャルゲーム」を開始。2009年の19歳以下会員数は前年比1割増の約458万人となった。
「自己紹介サイトやブログが発達し、着うたが個性を表現する手段でなくなった」(博報堂DYメディアパートナーの森永真弓主任研究員)は指摘する。
携帯電話に楽曲を丸ごと配信する「着うたフル」の伸びも鈍ってきた。背景にはユーチューブやニコニコ動画など動画共有サイトの普及がある。企業などによる販促用の音楽ビデオが無料で楽しめ着うたフルを買う必要性が薄れている。
「着うたフル」で1曲買うと300~400円かかるのが一般的だが、CDレンタル店でアルバムを借りれば1泊2日で350円ほどで「レンタルのほうが得」と話す高校生がいる。
急速に広まった携帯の音楽配信利用は曲がり角を迎えている。
2010/03/10,日本経済新聞 朝刊より
中堅映画会社のアスミック・エースエンタテインメントは、テレビ局との共同制作を4年ぶりに再開する。
今年公開予定の邦画のうち、アニメや配給のみを除く制作作品は5つ。他社配給を含むと2作品がテレビ局との共同制作。
漫画原作を基にした時代劇「大奥」(10月公開)をTBSと制作するほか、人気作家の村上春樹氏の同名小説を題材にした「ノルウェイの森」(12月公開)をフジテレビジョンと手がける。
邦画大手各社はテレビ局との連携強化を進めており、2009年に最も興行収入が多かった邦画作品「ROOKIES―卒業―」(85億円)は東宝が配給し、TBSが出資。「テレビドラマの続編など話題性を喚起した作品が成功した」(大谷信義・日本映画製作者連盟会長)ように、2009年の国内興行収入は3年ぶりに前年を上回る2060億円を記録した。
アスミックは1985年設立の独立系映画会社。2006年に住友商事が同社を子会社化した。出資比率は住商が約76%、角川映画が20%。
アスミックはこれまで独自路線の作品を手がける方針を掲げ、テレビ局との連携は年間2本前後に出資を仰ぐ程度。興行収入も米ハリウッドとの提携作品を除くと40億円前後にとどまっていた。「今後はテレビ媒体との連携を強化していく」(映画事業本部)として、邦画大手に対抗していく考えだ。
テレビ局との連携をてこに、2010年は2009年比7割増となる70億円の興行収入を目指す。
2010/03/08,日経産業新聞より
電通はアニメ制作会社フロンティアワークス(東京・板橋)などと共同で、携帯電話に音声付き電子コミックを配信するサービスに乗り出す。
テレビアニメなどで活躍する人気声優を起用し、コミックの吹き出し部分を読み上げる。5月に最初の作品を配信し順次作品数を増やす。初年度50万人の利用を見込む。
男子高校とその寮を舞台にした学園コメディー「方言男子 りとる★じゃぱん」を5月から配信。46道府県から集まったという設定のキャラクターたちを、各地域出身の声優が演じる。
2010/03/08,日本経済新聞 朝刊より
ツイッターで歌詞をつぶやくと著作権使用料がかかる。こんな見解がネットで話題になっている。
発端は日本音楽著作権協会(JASRAC)の幹部が動画共有サイト「ニコニコ動画」でツイッターでの歌詞の著作権について言及したこと。幹部の発言が巡り巡って、使用料請求が事実のように出回っているという。
ツイッターで歌詞をつぶやいたとしても、著作権者の許諾などを得れば問題はない。ただ実際は、ツイッターの個人ユーザーが許諾を得ているケースは考えにくい。きちんと曲の引用元を明記することも必要だ。
ツイッターやブログは私的なメディアと思われがちだが、同協会によると著作権法が規制する「公衆送信」に当たる。投稿した瞬間から、公にされたとみなされる。
無許可で歌詞をつぶやいた利用者に対する著作権使用料請求の可否について、同協会は「検討中」とする。ただ、多数の個人への請求は実際のところ難しそう。
「運営業者側に何らかの対応を求めることも含めて考えていく」としているから、この問題はまだまだ広がりをみせそうだ。
2010/03/05, 日経産業新聞より