ビクターの子会社ビクタークリエイティブメディア株式会社(VCM)は株式会社IMAGICA(IMAGICA)との間で、映画・テレビ番組・アニメ分野に係るブルーレイディスク(BD)、DVDソフトの販売拡大を狙うため、ソフトメディア事業に関する業務提携を行う。
同時に今回の提携にあたり、VCMがIMAGICAに対し第三者割当増資を実施し資本提携を実施する。割当増資後、IMAGICAはVCMの株式の5.6%を保有する。
ヘッドラインは2008/07/28,NQN
この夏の劇場公開アニメーション監督、宮崎駿と押井守への日経のインタビュー抄録。今回は宮崎監督。
■「子供の励みになる映画」が目標。新作「崖(がけ)の上のポニョ」もさかなの子ポニョと五歳の宗介の友情や思いやりの大切さをストレートに描く。
肝心なこと、大事なものは直感でわかる。そんな子供が見て分かる映画にしたつもり。
子供が見るのに値するものを作るのは相当に大変なこと。ただ刺激を与えればいいわけではないから。最初は男と女の皮肉な物語になるんじゃないかなどと話していても、いつの間にか終わりに向かってみんな善人になる。
■圧巻は豊かな海の表現。CGを使わず、手描きにこだわった。作画数はこれまでで最も多い十七万枚にのぼる。
波を魚で描いてしまおうと決めたとたんに、楽になった。五歳の子供にとっては波が生き物に見えるかもしれない。
鉛筆の線をあえて残す「実線主義」を貫いた。水道をひねると黒い線のしぶきが飛ぶ。水を水色や白っぽく描くより線の方が潔い。輪郭を描いて色をつけていったら、浮世絵に似ていると気が付いた。
■外国への下請け発注、安易な大量生産――。日本のアニメの現状に強い危機感を持つ。
作品の根幹にかかわる部分も流出し、現場が空洞化しつつある。スタジオジブリでは来春、思い切って新人養成に踏み切る。二十人くらい採用して、こちらもそれなりの覚悟を固めて待遇する。バーチャルなものばかり見て育った若い人たちが鉛筆一本でやっていくには弱点もあるだろうが、自分で見て、考え、描くことを覚えてほしい。
新人の養成は名古屋でやる。東京にあるのは過熱の中の孤独だけ。ここで得られる今日的な刺激はどこの地方都市に行っても同じだ。はやりに興味を持っても、同時代のものでアニメーションを作っちゃいけない。僕らの作品は時間がかかる分、少し先を見ていないと時代遅れになる。
最近スタッフが比較的新しい日本の児童文学五十冊の粗筋を書き出したが、アニメーションにしたいものが一つもなかった。学校に行かないとか、親が離婚したとか――。どうして狭いリアリズムの中でうろうろするのか。自分たちの文化や歴史に根ざし、なおかつ今の生活につながるところでロマンを書けないものかと、がっかりしました。
みやざき・はやお 一九四一年東京生まれ。七九年「ルパン三世 カリオストロの城」で劇場映画を初監督。二〇〇二年に「千と千尋の神隠し」でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。優れた映画作家に贈られるベネチア国際映画祭栄誉金獅子賞を〇五年に受けた。
ヘッドラインは2008/07/28, 日本経済新聞 夕刊
違法・有害サイトのフィルタリングを強化することなどを内容とした、青少年ネット規制法が先の国会で議員立法で成立した。総務省の情報通信法案(仮称)構想でもネットコンテンツを包括的な法の網にかける検討が進んでいる。ネット規制のあり方についての検討課題を、日経が堀部政男・一橋大名誉教授に聞いた要旨。
――情報通信法案の検討は堀部教授が座長を務めた総務省の研究会報告が議論の基礎になっているが。
「放送と通信を区別なく扱うのが法の狙いだが、コンテンツ面では放送に比べネットは社会的影響力は小さい。外部公開されているサイトに限り表現の自由に最大限配慮し、公共の福祉との間で調整する最低限のルールの検討を必要とした。民事上の権利侵害や法令に違反する『違法情報』と、違法とまではいえないが、自殺サイトなど公序良俗に反したり、青少年には好ましくない『有害情報』への対策だ」
「違法情報対策も国による包括的で直接的な規制は当面避け、最低限の配慮事項を刑罰を伴わない形で整備すること。有害情報は緩やかな対応にとどめ、フィルタリングのための第三者機関の制度化を提起した。言論表現活動やネット文化の発展に配慮した」
――法案内容を検討中の総務省の審議会が「中間論点整理」を先月公表し。当面のコンテンツ対策はプロバイダー責任制限法の対象を違法サイト全般に拡大する方向が示されている。議員立法のネット規制法にも違法サイト対策を別途検討する異例の付則条項があるが。
「責任制限法は名誉棄損や著作権侵害など民事上の権利侵害に対応する狙いだ。当事者からの申し立てをプロバイダーやサーバー管理者が業界のガイドラインで判断している。当初は第三者機関や、事前に裁判所に判断してもらう仕組みを検討した経緯があるが、事前判断はやはり難しいという結論だった」
「規制薬物やわいせつ物販売など違法サイト全般となると、対象が大きく広がる。また一般からの通報によってプロバイダーがサイトの閉鎖を求められる。捜査当局への協力なら別だが、何が違法か違法でないかは、直接の被害者が現れていないので判断が難しい。責任制限法の対象の拡大を具体化させる場合、表現の自由との調整問題で相当な議論が必要になるだろう」
――青少年の有害情報対策では議員立法が先行した。
「携帯サイトなどで青少年向けにフィルタリング対象とする違法・有害情報を国の機関が指定するという自民党内の当初案にメディア界が強く反対し、総務相がフィルタリングの原則化を要請し、これに伴って第三者機関として民間の自主的なコンテンツ審査機関が誕生した。欧米では有害情報対策に業界などがお金を出し対応している。日本でもようやくスタートした形だが、通信にかかわる事業者すべてが積極的に参加しようという姿勢は十分といえない」
――中間論点整理ではネットの当事者すべてが果たすべき責任について理念を明記することが検討されている。規定が独り歩きし国の直接的規制につながる恐れも指摘されているが。
「ネットコンテンツ問題にどう対処していくのか。非常に難しい問題だ。表現の自由を守る姿勢は大切だが、それだけでいいのか。自主的な対応がなければ公的な規制を招くことは必至。青少年ネット規制法はまさに不意をつかれた格好だ。今はなにかと議員立法で措置が講じられるようになっている。メディア界も具体的な提案や議論をすべきでないか」
「『何人も国境を越え、情報や思想を求め、受け、表明する自由を有する』とした世界人権宣言から今年で六十年。インターネットがこれを現実にした。メリットを最大限生かしデメリットを少なくする努力がすべての人に求められている」
堀部政男氏 専攻はマスメディア法・情報法で一橋大、中央大法学部などで教授を歴任。日本のプライバシー論の草分け的存在。国や自治体の審議会委員などを務め、情報公開法や個人情報保護法の成立に貢献した。昨年、総務省の通信・放送の総合的法体系研究会の座長として報告書をまとめた。現在は携帯サイト向けコンテンツの審査機関の代表などにも就任している。72歳。
ヘッドラインは2008/07/28, 日本経済新聞 朝刊
集英社と小学館が資本関係を強化しコンテンツの映像化や著作権事業の拡大を狙う一方、講談社は7月、単独で米国に現地法人を置き本の現地出版に動く。かつてのけん引車だった国内の雑誌販売低迷をうけ、新天地に成長の糧を求める各社の勝算は?
小学館プロダクションに資本参加することを発表した記者会見の席上で、集英社の山下秀樹社長と小学館の相賀昌宏社長は「コンテンツビジネスの最大化に向けて協力する」と強調した。
「小学館集英社プロダクション」に名称変更した同社は、版権管理子会社「VIZMedia」を通じてアメリカで版権ビジネスに拍車をかける。
人気コミック誌「週刊少年ジャンプ」を発行し「ドラゴンボール」など海外でも注目されるキラーコンテンツが多い集英社。「ドラえもん」など息の長い名作を擁し、版権管理に一日の長がある小学館。米国での成功に自信を深める両社が次に狙うのは、アジアを中心とした新興国市場での版権ビジネス展開だ。
小学館、集英社に比べ、海外から注目される漫画作品の数が劣る講談社は、現地出版社からのオファーは一部の過去の作品に偏りがちだったといい、「版権ビジネスだけでは収益拡大に限界がある」と判断した。ならば「売りたい」と考えた作品を自ら出版・販促し、読者のすそ野を広げようとする。
講談社が7月に米国で設立した現地法人は、9月から現地で日本の人気作品を中心とした単行本出版に乗り出す。「日本のマンガは米国のコミックと性質が違う。現地でも一部マニアを中心に浸透してきた」と白石光行経営企画室長は勝算を語る。
ヘッドラインは2008/07/28, 日経産業新聞
日経の調査によると、国内動画サイト市場ではユーチューブが昨年同様、圧倒的な強さを見せた。一方で2位以下が大きく変動し2007年1月にサービスを開始したニワンゴが急激にPV数を増やし、開始1年目で22.7%のシェアを奪取し、投稿型サイト二強がシェアの7割強を占有した格好だ。
昨年2位だったUSENは大きく後退し、ヤフーに次ぐ4位に転落した。
動画を投稿する共有型の上位2社は番組制作やコンテンツ買い付けの費用がかからないが、著作権侵害の問題がくすぶり続けており、この問題の行方が2008年のシェア分布に影響を及ぼす可能性も残る。
動画配信サイトGyaOを運営するUSENは、大きくシェアを落とした。自社の番組制作や映画などの買い付けてコンテンツを拡充しており、大幅なコスト負担になっている。動画の拡充・更新が遅れ、PVでは上位二社のような「共有型」サイトに水を空けられている。
動画サイトの主戦場はパソコンから携帯電話に移行する見込みで、利用者のすそ野の広がりを受けて今後もPV拡大は続くと見られる。
しかし順風満帆に見える動画サイト業界も、いかに事業として収益化するか、各社の知恵が問われる。
ヘッドラインは2008/07/28, 日経産業新聞