国内最大の電子マネー「Edy(エディ)」を運営するビットワレットは全社員対象を対象に早期退職者を募集し、全社員の2割に相当する約40人を削減した。
同社では手数料収入を上回るペースで加盟店開拓やシステム投資へのコストがかさみ、7期連続で最終赤字が続いていた。
同社は電子マネーの草分け的存在である「エディ」を運営。カードと携帯電話向けに最多の約4500万枚を発行し、収入は決済額に応じた加盟店から得る数%程度の手数料が大半を占める。
電子マネー市場は大手スーパーや鉄道会社などの参入で競争は激化。グループ店舗を持つ競合社と異なり、独立系のビットワレットは顧客開拓を自力で進めなければならない事情がある。
エディの決済件数は加盟店の増加で伸びたが、平均決済額が1000円未満と少額のため、システム開発や加盟店開拓の費用に見あう収益が得られていない。
同社では人員削減の狙いについて「非効率な投資を今後控え、人員の最適化を図るため」(経営企画部)としている。収益改善を急ぎ、2010年3月期以降の黒字化を目指す。
2008/12/29, 日経産業新聞より
2008年の放送業界のキーワードは「放送外」。
不況のあおりで広告収入が大きく減少し、各局は成長機会を放送以外の分野に求めた。2009年はM&Aを含む放送外での戦略的な投資が増えそうだ。
民放は2008年上半期にスポット広告収入が前年比10%以上減少。聖域の番組制作費にも本格的に手をつけ、これが視聴率の低下をもたらす悪循環も招いた。
フジテレビジョンが認定放送持ち株会社を頂点とする新体制にいち早く移行。TBSも追随する。放送以外のビジネスにも機動的に経営資源を投入できるようにするのが狙い。
NHKは不祥事に伴う不振から徐々に回復、大河ドラマなどが高視聴率を記録。民放の不振で存在感が一段と高まった。NHKは有料の「NHKオンデマンド」を開始。出演者らから配信許可を得るための新たな商慣行作りがNHK主導で進みつつある。
2008年はCATV首位のジュピターテレコムが3位のメディアッティ・コミュニケーションズを買収するなど、有料多チャンネル放送でも業界再編が進んだ。
2009年夏にはBSデジタル放送の新チャンネルの免許割り当ても決まる。この過程で有料放送の新たな陣営作りが進む可能性もある。
2008/12/29, 日経産業新聞より
角川グループホールディングスは、傘下のゲーム雑誌などを発行するエンターブレイン、生活情報系出版社の角川・エス・エス・コミュニケーションズなどの営業部隊を角川グループパブリッシング(角川GP)に一本化する。
取次店や書店に対する交渉力を強め、主力の出版事業の収益力を高める狙い。
すでにアスキー・メディアワークスなどは角川GPへの営業委託を完了しており、各出版社はコンテンツ作りに専念する体制にし、グループの効率化を図る。
また、角川GPの子会社で書店での販促営業を行う角川出版販売は、2009年1月1日付で塚田正晃アスキー・メディアワークス専務取締役が社長に就任する人事を決めた。グループの営業統合を促進する一環としている。
2008/12/27, 日本経済新聞 朝刊より
ソニーはパソコン向けの無料動画配信サービス「ブランコ」を来年1月30日で打ち切る。
ソニーマーケティングが今年3月配信事業を開始、来春までに100万人の会員獲得を目指したが、約15万人と伸び悩み継続を断念した。
好きな時に好きな動画を見る「オンデマンド」方式ではなく、通信回線を介して一斉に配信する「IPマルチキャスト」を採用。システム構築・運営費用を抑えたが、会員数が計画に届かなかったほか、広告環境も悪化し事業を軌道に乗せるのは難しいと判断した。
2008/12/27, 日本経済新聞 朝刊より
米ワーナー・ミュージック・グループとユーチューブは、提携契約更新にあたり交渉が決裂した模様だ。ワーナーはより好条件での配分を求めたが、ユーチューブが拒否したといわれる。
米メディアによると、ワーナーは自社コンテンツのユーチューブからの削除を開始した。ユーチューブは自社ブログで「(コンテンツ保有者と)常に合意できるとは限らない」と指摘。このまま歩み寄れなければ、ワーナー関連のコンテンツがユーチューブからすべて消える恐れもある。
コンテンツ各社はネット配信への対応は不可避との立場だが、違法コピーなどへの警戒感は根強い。世界的な景気悪化でネット広告収入が伸び悩み、ネット各社も収益確保での苦戦が目立つ。双方が納得できる事業モデルの構築は容易でなく、当面つばぜり合いが続きそうだ。
コンテンツのネット利用で収益を確保することの難しさを改めて示した。
2008/12/26, NQN