ユニバーサルミュージック、中高年向け企画連発、低迷CD市場テコ入れ

ユニバーサルミュージック合同会社が、中高年をターゲットに低迷する音楽CD市場のテコ入れに動き出した。青春時代に音楽に親しんだ世代だけに、歌唱力のある歌手の企画CDを提供して需要掘り起こしを図る。

きっかけは徳永英明さんが女性歌手の名曲をカバーしたCD『VOCALIST』シリーズが3作品で累計350万枚を売り上げたこと。
さらに長渕剛さんや吉川晃司さんなど中高年に認知されている有名歌手のユニバーサルへの移籍を推進。15日には松田聖子さんの移籍を発表した。今後も購買層を絞り込んだCD制作に引き続き注力する考え。

日本レコード協会によると、2008年のCD生産額は2913億円。最盛期の1998年の約半分。それでも2008年は若年層に人気がある歌手のベストアルバムが100万枚以上売り上げたが、2009年は一段と市場が縮小すると懸念される。
配信市場は2008年が905億円と2005年比3倍弱に拡大したものの、携帯向け音楽配信のレコチョクによると「利用者が一番多いのは20歳代女性」。利用単価も1曲当たり数百円でCDに比べて利益率が低い。レコード会社の収益の柱になるには時間がかかる。

日本の40~64歳の人口は4300万人弱。青春時代にLPレコードで音楽を聴いた世代だけに同じパッケージ商品であるCDの潜在需要は高いとユニバーサルは判断。「若者は音楽配信、中高年はCDというすみ分け戦略が必要だ」と石坂敬一会長兼CEOは言う。
「音楽市場低迷の根本理由の一つに、スーパースターが不在であること」と石坂会長。ベテラン歌手が未来永劫歌い続けるわけではなく、世代を超えて聴かれる曲を生み出す歌手が生まれなければ、市場は収縮する。
ベテラン歌手を積極登用しながらも、将来を担う歌手の早期育成は業界共通の最大課題だ。

2009/06/16, 日経産業新聞より

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