アッガイ、案外人気―ガンダム30年、端役にも脚光

テレビ放映開始30周年になるアニメ、機動戦士ガンダム。実物大の立像、映画も再上映されるなど注目が集まる中、癒やし系キャラクターとして「アッガイ」が人気を集めている。
アッガイは、水陸両用のモビルスーツと呼ばれるロボット。原作ではさしたる活躍もせずにガンダムにやられてしまい、存在感も薄かった。
ただ、頭でっかちで丸っこい造形や体育座りの姿勢で待機する姿を「愛らしい」と評するファンも一部に存在。2005年ごろから、ギャグ漫画「機動戦士ガンダムさん」(大和田秀樹)で3頭身の姿で擬人化され話題を集めたほか、クマやドラえもん風など勝手にデザインされた写真や動画がネットに次々とアップされ、癒やし系、萌えキャラとしての地位を確立していった。

5月に開かれた「静岡ホビーショー」では愛知県の「轟天建武隊」が出展した30体以上のアッガイのプラモデルがひときわ注目を集めた。「愛嬌のあるアッガイなら、どんなにいじっても許される。かっこいいイメージが定着しているガンダムではこうはいかない」と代表の高橋邦雄さん(42)は話す。
原作のガンダムを知らない若い世代の女性にも人気だ。東京都の西山慶子さん(仮名、30)の楽しみは、アッガイのフィギュアと一緒に料理の写真を撮ること。自分の分身のつもりでネットにアップして、全国のアッガイファンに見てもらうのが楽しい。「すでに兵器というよりは、ぬいぐるみのようなもの」と西山さんは話す。

複数のプレーヤーが同時にモビルスーツを操縦するアクションゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」では、みんなでアッガイを操縦する「アッガイ祭り」と呼ばれる遊び方が出現。開発元のバンダイナムコゲームスの担当者は「敵と戦うゲームなのに、戦闘を無視してそろってミサイルを発射するなどコミカルな動きをして盛り上がるプレーヤーもいる」と驚く。
これらはメーカーなどの戦略ではなく、ファンの感性で生み出されたものだ。ガンダムファンとして知られる大阪府立大学特別教授の橋爪紳也さん(48)は「戦闘メカに機能を求めるのではなく、幼さや愛らしさという価値を発見する感性は、愛らしいキャラクターに囲まれて育った今の若い世代ならではだ」と分析する。
30年分の想像力が生み出した新キャラクター、アッガイ。若いファンに支えられ今後も進化を続けそうだ。

2009/07/29, 日経MJ、ブームの裏側より北角裕樹記者の署名記事の要旨

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