放送・通信融合へ法制見直し、電波の利用柔軟に

放送と通信の総合的な法体系のあり方について検討を重ねてきた総務省の情報通信審議会は19日、答申案をまとめた。
急速に進む通信を巡る技術革新やインフラ整備でサービスが生まれているが、1950年代につくられた電波法や有線電気通信法などが実態にそぐわなくなっている現状を踏まえ法体系を見直す。

現行の地上放送は、免許も持つ放送局が放送設備の設置からコンテンツ作成などの放送業務まで一貫して手掛ける仕組みになっている。新しい法体系では、施設設置と放送業務を個別に手掛けることができるようになる。
この結果、複数の放送局が放送設備を共有し、コスト削減につなげることが可能になる。
新規参入を考える企業も、既存局の設備を借りて放送業務を担うことが可能となる。

電波の利用では「放送」と「通信」の間にあった規制を緩和する。
例えば放送電波を使って見たいテレビ番組をいつでも受信できるようにすることや、携帯電話の通信網を使ったテレビ放送も可能になる。携帯電話でもテレビ放送の電波受信が可能な機種が普及するなど、通信と放送の境界があいまいになっている現状に、法制面で対応する。

一方、放送事業者に対しては報道や教育、娯楽といった番組分類情報の開示を求めるほか、放送中止事故の報告を義務付ける規制強化も盛り込む。
インターネットのコンテンツについては青少年保護などの観点から規制を求める声もあったが、民間の自主的な取り組みを尊重して今回は規制を見送ることにした。

新しい法体系の導入に向け、総務省は現在は9つある放送・通信関連の法律を「コンテンツ」「伝送サービス」「伝送設備」からなる3つの柱にくくり直し、2010年の通常国会での法案提出を目指す。
仮に民主党中心の政権が誕生しても、法体系見直しの流れは続くものとみられる。

2009/08/20, , 日本経済新聞 朝刊より

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