富山県南砺市城端にあるアニメーション制作会社のピーエーワークス。劇場公開中の「レイトン教授と永遠の歌姫」や、テレビアニメ「攻殻機動隊」「true tears」などの人気作品を数多く手掛け、着実に存在感が高まっている。
会社設立から10年目となる今年、「次の飛躍に向けて、独自の発信力を高めたい」と、堀川憲司社長は話す。
城端の中心部にある同社のスタジオでは、若いクリエーターたちが自分の任されたパートのデッサンに没頭していた。「原画作りから動画のコマ画面、色指定、彩色までを富山で担う。声優の録音や音響は東京になってしまうが、それ以外の作業は富山でできる」と堀川さんは話す。
東京でアニメ制作の仕事をしていた堀川さん、転職と結婚を経て奥さんの出身地である城端に移った。地元の制作会社を探したが、見つからず「自分で立ち上げたのがこの会社」。常勤スタッフは現在、約70人。うち東京は20人、富山は50人。「この世界は人材育成がすべて。元請け会社とはいえ、ここにちゃんとした現場を持ちたかった」
ファンとの距離感の変化にも気を配る。登場キャラクターに強い思い入れを持ち、ネットを通じて感想や解釈がたちどころに広がる。「そんな熱心なファンの輪が作品を大きく育てる時代」という。「true tears」は城端を舞台に人物や風景を丁寧に描写したことが人気の一因で“聖地”城端を訪れるファンが今もなお絶えない。
一方、景気低迷でアニメビジネスの環境は厳しい。スポンサーの獲得に向け、いかに優れたクリエーターを多く抱え、作品の完成度を高めるかがカギ。「今後、ソフトの販売も含め、アニメビジネスのすそ野を広げたい」と意気込む。
44歳、愛知県出身
2010/01/20,日本経済新聞 地方経済面 (北陸特集)(ほくりく人話題)より
参考リンク:ピーエーワークス