小学館など出版大手、「返本不可」仕組み導入、収益の改善めざす

小学館や角川書店など出版大手が、書籍流通に新手法を相次いで導入する。
書店からの返品を原則受け付けない代わりに、書店の利幅を増やすのが特徴で、業界全体で40%強に達している返品率を減らし収益改善につなげたい考え。

小学館は「計画販売制」と呼ぶ手法を、3月16日刊行の「せいかつの図鑑」から順次導入する。書店は本を仕入れる際に、計画販売制と従来の返品自由な「委託販売制」のいずれかを選べる。計画販売制は返品を受け付けない。現金化の要請があれば、定価の30%で買い取る。書店は在庫になるリスクを抱えるが、仕入れ値は定価の約78%から65%に下がる。小学館は巻末のICタグで複数の販売方法を識別する。
従来の制度は書店が本を自由に返品できるため、実際に売れる量より多めに発注しがちだった。小学館は新制度で無駄な本の出版部数を減らすとともに、書店の取り分を増やして販売意欲を高める。

角川グループパブリッシングは3月3日、人気作家ブラウン氏の「ロスト・シンボル」の初回配本分で、返品不可の「責任出荷制」を導入する。書店の利益率は従来の委託制と同じだが、書店は人気作品を欲しい数だけ確実に仕入れることができ、販売後には1冊50円の協力金を受け取れる。
人気作品は希望通りの部数を仕入れられないことも多い。責任出荷制を使えば地方の中小書店などでも品ぞろえを強化でき、出版社側の返品リスクも減らせる。

講談社も昨年10月に「CDえほん まんが日本昔ばなし」で返品不可の「責任販売制」を導入している。

2010/02/09, 日本経済新聞 朝刊より

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