「歴女」をつかめ、北陸の自治体、若年層にPR

ゲームやアニメがきっかけで戦国武将に興味を持つ「歴女(れきじょ)」が北陸3県でも増えている。地元の自治体や観光業者は集客や地域振興につなげる好機と、商品開発やPRに知恵を絞っている。

みなとつるが山車会館(福井県敦賀市)では、敦賀城主だった大谷吉継の常設コーナーが昨年12月に開設された。「石田三成ファンの女性から、三成の盟友の大谷吉継を地元で展示してほしいとの声が寄せられた」と須藤慶一館長は話す。吉継コーナーで来場者数は女性が1割増えた。山車会館では吉継をモチーフに「よっしー」というキャラクターも作り、携帯ストラップを販売している。

朝倉義景が居城にした一乗谷朝倉氏遺跡(福井市)は、福井県によると昨年の来場者数は前年比21%増の53万9600人と大幅に増加した。全国植樹祭の会場となったことも一因だが、同遺跡保存協会の岸田清会長は「以前は若い女性はほとんどいなかったが、最近では1日数十人訪れる日もある」と客層の変化に関心を示す。
同遺跡を訪ねた滋賀県在住の会社員の女性(29)は「足利家の将軍一族が身を寄せたほど栄えた場所。どんな街並みだったのか知りたかった」と戦国ロマンに浸った様子だった。

上杉謙信軍と織田信長軍が激戦を繰り広げた魚津城(富山県魚津市)。この城跡は小学校内にあり、見学希望が増えたため専用スペースを設けた。菓子屋のフジタ(魚津市)が直江兼続にちなんだ「愛」の文字を刻んだまんじゅうを売り出すなど波及効果もあった。

これまでは中高年が訪れるものというイメージが強かった歴史史跡だが、戦国武将のヒーロー像から盛り上がったブームを商機ととらえ、若年層にPRしようと地元も動き出した。
福井市はソフトバンクの携帯電話のテレビ広告を手がけるディレクターに依頼し、朝倉氏遺跡のポスターを製作する。市観光開発室の安野敏彦観光アドバイザーは「若者に訴える斬新なものを作る」と話す。4月から首都圏の駅などに張り、福井を訪れる観光客を増やしたい考え。
戦国武将ブームによる集客を一過性とせず、魅力ある地域作りに広げられるか。自治体や観光関連業者の戦いの火ぶたが切られた。

2010/02/18,日本経済新聞 地方経済面 (北陸)より

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