バンダイナムコホールディングスはゲーム部門をコンテンツごとに再編、グループに戦略立案や予算達成の責任を負わせる体制をつくる。
ゲーム事業不振で業績は急降下のなか、組織見直しには旧バンダイと旧ナムコの統合によって生まれたあつれきを軽減し融合はいったん白紙に戻す。それぞれの強みをもう一度発揮させようという狙いがある。
「バンダイとナムコの融合を急いだ結果、双方の強みを打ち消し合ってしまった」(HDの石川祝男社長)。
低迷するゲーム子会社のバンダイナムコゲームスは旧バンダイと旧ナムコのゲーム事業を合体させており、いわば経営統合の象徴で試金石だった。
今期特に不振なのが旧バンダイの流れをくむキャラクターゲーム。統合の結果、旧バンダイの強みを生かせなくなったのが要因とみられる。
ゲームスは現在、家庭用ゲームソフトや業務用ゲーム機などの部門に分かれ、その下に企画や販促など各セクションがある。同じ「太鼓の達人」シリーズでも業務用と家庭用では担当部門が違うなど細分化しており、コンテンツごとにまとまった行動が取りにくかった。
4月以降はコンテンツごとの小グループが横一列に並ぶ体制に改め、どのようなゲームをいつ出すかなど戦略全般をコンテンツごとにグループ内で決め、全責任を負う。
もともとバンダイとナムコはビジネスのやり方が全然違っていた。バンダイはテレビ放映などに合わせてタイミングよく玩具やゲームを発売するフットワークの軽さが身上。実際の開発や製造は外注する。ナムコは自前の開発者を抱え、1からゲームをつくる。できあがったゲームの質の高さで勝負してきた。
ゲームスでは人材交流を進め「バンダイ流でもなくナムコ流でもなく、バンダイナムコ流を早くつくろうとしてきた」(石川社長)。ただ開発者が多い分、社員の9割はナムコ出身者。旧バンダイ系ソフトはナムコ流のものづくりに引っ張られ、企画から発売までのスピード感が徐々に失われてしまった。
合併前のバンダイとナムコはそれぞれ100億円前後の利益を出していた。旧バンダイの玩具事業を引き継いだバンダイは、今も合併前とほぼ同水準の利益を上げている。今回は統合のスタート地点に戻ったわけで、ナムコ流のものづくりとバンダイ流の商売のうまさを掛け合わせ、統合のシナジーを出すにはもう一段の壁を越えなければならない。
2010/02/26,日経産業新聞より