携帯電話の「着うた」や「着メロ」の購入が急減している。
2009年の着うた平均ダウンロード数は2008年比で3割減。原因は主な利用者である女子高生など若者の着うた離れ。携帯では鳴らす機会の限られる着うたより無料ゲームなどを楽しみ、個性を示すのはブログでと、志向が変わったことが背景にあるようだ。
携帯向け配信最大手のレコチョクの利用者のうち15~24歳は約680万人で全体の4割弱を占める。平均の約2倍と圧倒的に利用が多かったのがこうした女子高生だ。
しかし最近では「鳴らすと周りに迷惑だし、着うたはほとんど買わなくなった」と都内の高校に通う3年生の女子生徒たちは最近の携帯事情をこう説明する。
利用減の要因の一つは価格だ。着うた配信料は1曲あたり100~150円前後。2009年の高校生の小遣い額が前年を約11%下回るなか、代わって利用が増えているのが携帯電話向けゲーム。無料で楽しめ種類も多い。
携帯ゲームの「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エーは2009年10月に友達と一緒に楽しめる「ソーシャルゲーム」を開始。2009年の19歳以下会員数は前年比1割増の約458万人となった。
「自己紹介サイトやブログが発達し、着うたが個性を表現する手段でなくなった」(博報堂DYメディアパートナーの森永真弓主任研究員)は指摘する。
携帯電話に楽曲を丸ごと配信する「着うたフル」の伸びも鈍ってきた。背景にはユーチューブやニコニコ動画など動画共有サイトの普及がある。企業などによる販促用の音楽ビデオが無料で楽しめ着うたフルを買う必要性が薄れている。
「着うたフル」で1曲買うと300~400円かかるのが一般的だが、CDレンタル店でアルバムを借りれば1泊2日で350円ほどで「レンタルのほうが得」と話す高校生がいる。
急速に広まった携帯の音楽配信利用は曲がり角を迎えている。
2010/03/10,日本経済新聞 朝刊より