3D商戦幕開け、コンテンツ作りの人材不足

3D映像を巡る商戦が幕を開けようとしている。4月23日にはパナソニックが対応テレビを発売、6月にはソニーも投入する。2年後には世界で1500万台との市場予測もあり、普及の成否を握るコンテンツ制作も水面下で進んでいる。
過去にも訪れては消えた3Dブームだが、技術革新で今回は広がるとの見方は根強い。

民放や衛星放送など関係業界は、水面下で優良な3Dコンテンツを求めて動き始めている。再結成したフォークグループ「アリス」の東京ドームのコンサートでは、5台の3Dカメラがステージを取り囲んだ。谷村新司さんらが熱唱する立体映像は、フジテレビがCS放送で流す。
ただ独自コンテンツの開発は、各社とも十分なノウハウがなく手探りで実験を重ねる段階で、何が主力に育つかわからない。

コンテンツづくりの課題として関係者が口をそろえて指摘するのが、3Dを撮影できる技術を持つカメラマンらの人材不足だ。
3D技術に詳しい羽倉弘之・元東大特任研究員は「魅力的な3D映像を作るには、独特のカメラワークなどノウハウが必要。ハリウッドですら人材不足に陥っている」と話す。3D映像の制作技術を持つある制作会社には「今年2月ごろから引き合いが殺到。以前の3倍にはなっている」と話す。

3D映像の制作は「通常の2倍の時間とコストがかかる」(別の制作会社代表)とされる。一方で制作現場からは「アバターで初めて3D映像を見たという人もいるが、最新の技術と多額の予算をかけた大作。あのレベルを視聴者から要求されたのではたまらない」という悲鳴も聞こえる。

「3Dテレビを買ったけど、さて見る物がない、という状況だけは避けたい」(ソニーの島津彰・3D&BDプロジェクトマネジメント部門長)との思いは、業界関係者の一致するところだ。

2010/04/02,日経MJより

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