秋葉原のガンダムカフェ、一般客の攻略は胃袋から

人気アニメ「機動戦士ガンダム」をテーマにした初の飲食店が秋葉原にお目見えした。
番組のストーリーや登場人物を基にしたメニューなど、ファンにはこたえられない品ぞろえで、開業初日は開店前に200人が行列した。運営元のバンダイはここをガンダムビジネスの新たな拠点と位置付ける。これまで同アニメになじみのなかった消費者にも興味を持ってもらうきっかけを提供する狙いだ。

壁の大画面モニターには、過去の名場面や最新の商品情報が常時流れ、メニューも通常のカフェとはひと味違う。例えば「弾幕サラダ」(320円)。ポテトサラダの左半分にだけゴボウチップスを盛ってある。敵機の襲撃に対して左側の迎撃が不十分だったという番組中のエピソードを基に「サラダでは左側も手厚く対応した」(ガンダムカフェチームの真洋介マネージャー)という、ファン心理をくすぐる細かい設定。
とはいえ65種類のメニューのうち、こうした「わかる人にはわかる」ものは2割程度。大半は人気キャラクター、シャア・アズナブルが搭乗するロボットの頭部に見立てたハンバーグ「シャア・アズナブルのパイロットランチ」(890円)など、素人でも簡単な説明でわかる商品。この店のポイントは熱心なファンを満足させるマニアックな設定と、一般客でも来店しやすい雰囲気づくりのさじ加減にある。

ガンプラ販売を中心とするガンダムビジネスはバンダイの稼ぎ頭だが、近年は購入客層が一部ファン層に固定化しつつあり、新規客の取り込みが喫緊の課題となっている。「商品を買うのは結局、熱心なファンに限られる。でも、カフェなら普段ガンダムになじみのない消費者にも立ち寄ってもらえる」と真氏は開業の狙いを語る。
店内も巨大ガンプラなどのアイキャッチ以外は至ってシンプル。「あまりにガンダム色を打ち出し過ぎるとファン以外は入りにくい」(同)からだ。

来店客以外の消費者がガンダムへの認知度を高めるための取り組みも忘れない。店の一角ではガンプラ形のたい焼き「ガンプラ焼」(190~220円)を持ち帰り用に焼き、パッケージにキャラクターの絵柄を入れた菓子なども販売する。土産物として買ってもらうことで、カフェ利用者以外への波及効果を狙う。そもそも秋葉原という立地も、多くの海外観光客の目にガンダムの存在感を焼き付けるために選んだ。

ガンダムをテーマに据えた初の飲食店の注目度は高く、滑り出しは好調。課題はリピーターの育成だ。新商品や新番組に連動したメニューを開発したり、店頭で各種イベントを開くなど、消費者を飽きさせないための様々な計画が目下進行中という。「常に変化し、進化する店にする」と、バンダイの上野和典社長は意気込んでいる。

2010/05/03,日経MJより

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