「スカート男子」じわり増殖中

最先端の若者ファッションがあふれる東京・原宿。スカートのすそを翻し、さっそうと歩く若者が1人。よく見れば男性だった。女装ではない。他人とはひと味違う、おしゃれなアイテムとしてはく「スカート男子」だ。
性別を超えたファッション「クロスジェンダー」流行の一環で、海外のコレクションの動きが飛び火した側面もある。メンズ専用商品を扱うネット通販も登場し、愛用者がじわり増える気配を見せている。

神奈川県在住の男性(22)は、愛用しはじめた理由を「好きなブランドが新シーズンにスカートスタイルを提案したのがきっかけ」と話す。この日はグレーのスカートの下にチェックのパンツを合わせた装い。
都内在住の男性(19)は、キルト風のチェックスカートを古着をもとに手作りした。現在3枚のスカートを所有し、高校生のときからはいているという。周囲の反応は「似合う」「隣を歩きたくない」と真っ二つに分かれるが、本人に抵抗感は全くない。
スカート男子の人口密度が高い原宿では、外国人のスカート男子も闊歩している。最近は銀座など他の繁華街でも、愛用者の姿が見られるようになった。

原宿の女性ファッションの専門店では、昨夏にメンズを扱い始めたのと同時にスカートの販売を開始。店長は「週に3枚のペースで、売れ行きは順調」と話す。最近はレギンスの上にはくスタイルが流行のようだ。
「アイテムは最近増えており、男性向け商品が普通に出回るようになってきた」「今年の秋冬にかけてはく人が増えるのでは」と予測する。

そもそもスカート男子増殖の兆しは2~3年前にあった。都心の古着店などで、女性用のスカートをファッションアイテムとして購入する若い男性が現れはじめたという。その後、「ヨージヤマモト」や「ジバンシィ」といったブランドがメンズのスカートを相次いで発表したことで、一気に認知度が高まった経緯がある。
マーケティング情報誌の編集長は「大手ブランドが扱うデザインは似通ってきており、商品の同質化が進んでいる」と指摘する。「他人と同じではつまらない」と感じるファッションに敏感な若者らが、こうした流れに風穴を開ける気持ちで飛びついたとみる。

では、スカート男子は時代のあだ花なのか?
今後もはき続けたいかという問いに、愛用者たちは「もちろん」と口をそろえる。「親だって否定しない」という声さえある。
一見、奇抜に見えるスカートだが、一度はいてみれば、その解放感やオリジナリティーのとりこになるのかもしれない。

2010/05/07,日経MJより

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