世界最大級のアニメ番組配信サイトを運営する米クランチロール(カリフォルニア州)。このほど凸版印刷子会社ビットウェイの出資を受けてマンガ配信への進出を狙う。共同創業者でCEOのクン・ガオ氏に日経産業新聞がインタビューしている。
・日本のコンテンツを世界に発信しようとしている
「配信するのはアニメを中心に正式に使用許諾を受けたコンテンツのみ。有料コンテンツは、日本での放送から1時間後に英語字幕付きの作品を配信している。正規コンテンツのプラットフォームとして機能している」
「単なる配信だけでなくSNS機能もあり、利用者がコミュニティーを形成できるのも特長だ。放送のわずか1時間後に、しかもハイビジョン画像で見られるのも当サイトだけ」
・ビジネスモデルは
「広告付きの無料ストリーミングと有料の登録型ストリーミング配信、キャラクターグッズ販売が主な収益源だ。テレビ東京のほか東映アニメーションなど、日本国内の権利保有企業と正式にライセンス契約を結んで作品の供給を受けている」
・当初から日本のコンテンツ供給者の理解は得られたのか
「はじめは企業を一つ一つ訪問し、当サイトを活用したロイヤルティービジネスの将来性を説いて回った。海外での配信ビジネスについて進出の方法に悩んでいた企業も多かったようで、想像以上に企業は理解を示してくれた」
・現在はドラマも配信している
「日本のドラマは権利関係がとても複雑でなかなか配信できず、中国や韓国の作品が中心となっている。日本のテレビ局もネット配信専用のドラマを作成するなど、対応し始めてはいるが、まだまだ規模は小さい。局側さえ大丈夫なら、我々は配信プラットフォームの用意はある」
・日本のコンテンツ産業に拡大余地はあるのか
「大いにある。例えば、米国に13~23歳が4000万人いるとして、現在はまだ3%しかリーチできていない。ポテンシャルは非常に大きいと思っている。より強固なプラットフォームが築ければ、配信ビジネスはもっと広がるはずだ」
「ほんの1年半でも、日本企業の配信ビジネスへのマインドは劇的に変化したと感じている。業界全体が非常に積極的だ。残念なのは、各企業が個別にプラットフォームを作ろうとしている点だ。これではユーザーに不便なだけでなく、生き残りもままならない。日本のサブカルチャーは海外で非常に人気がある。『オール日本』で共通プラットフォームを形成すべきだ」
中国・北京市生まれ、9歳で米国移住。バークレー大で電子工学、コンピューターサイエンス、数学の学位を取得。米国の人気サイトでエンジニアを勤めた後、自らもサイト設立などにも携わる。2006年クランチロール設立、CEOに就任。28歳。
2010/06/25,日経産業新聞より