音楽配信減速、レコチョク加藤裕一新社長に打開策を聞く

2ケタ成長を続けてきた音楽配信市場だが、娯楽の多様化と携帯端末の出荷減少により、2009年の販売額は前年比横ばいと減速している。
携帯向け音楽配信最大手のレコチョク社長に24日付で就任した加藤裕一氏に日経産業新聞が打開策を聞いている。

・今の市場環境をどうみるか
 「大変厳しい。スマートフォンの普及を織り込んでも、市場規模がこれまでのように右肩上がりで拡大していくことは難しいだろう。さらに次代を担う強力なアーティストが生まれていない。レコード会社などと一緒に、我々にできる協力の仕方を模索していきたい」

・登録無料サービスを昨年12月に導入した
 「購入のたびに曲と交換できるポイントを付与するもので、顧客の囲い込みが狙い。会員数は200万人を突破し順調に増えている。会員限定の無料ライブなど、各種販促が奏功した。会員は20~30代が中心。中高年層を取り込むためのマーケティングも強化し、1000万人の会員獲得をめざす」

・音楽配信以外のサービス多角化は
 「ネット通販事業を昨年から始めた。音楽に関係のない商材を扱うつもりはない。化粧品や服飾も音楽アーティストに関連したものを展開している。あくまで音楽を核とした企業体であり続ける。現行サービスを深化させることに力を注ぐ」

・来年に創業10周年を迎える
 「音楽配信市場の成長が鈍る中、今度は我々が新たなマーケットをつくっていくときだ。ストリーミング方式などニーズを見極めながら研究していく」
 「業界ナンバー1の配信プラットフォーム会社だといわれることが目標。そのためにはレコード各社からの要望にすぐに応える体制を築く。同時に我々からも様々なサービスや企画を提案し、積極的に動いていく」

レコチョクは2001年7月にレーベルモバイルとして設立され、現在はソニー・ミュージックエンタテインメントやエイベックス・マーケティングなど主要レコード会社12社が出資している。多くの企業のコンテンツを提供できる点が強みだが、同社のビジネスモデルはレコード会社から楽曲の供給を受けて配信すること。
近年はパッケージを含めて大ヒット作も生まれにくくなっており、自ら需要を開拓していく販促や新サービスが一段と問われている。
株主の1社であるビクターエンタテインメントで配信事業などを手掛けてきた加藤新社長の手腕が試される。

2010/06/29,日経産業新聞より

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