印刷大手、電子書籍で出版社支援

印刷大手の凸版印刷と大日本印刷はそれぞれ、出版社向けに電子書籍の支援事業に乗り出す。凸版は書籍の電子化からネット配信までを一貫して支援。大日本印刷は煩雑になる印税支払いなどを一元管理できるサービスを9月にも始める。書籍印刷で培ったノウハウを成長が見込める電子書籍関連の受注につなげ、低迷する印刷事業に代わる収益源に育てる。

凸版印刷が提供するのは、携帯電話やiPadなど端末に合わせた書籍データの制作のほか、電子雑誌向けの広告制作、販促活動の支援など。配信の委託先は出版社が選べるほか、子会社で電子書籍配信を手掛けるビットウェイも請け負う。
このほど約50人の専門組織「デジタルコンテンツソリューションセンター」を発足させた。電子書籍を手掛けるには、小規模な出版社では負担が重いケースもある。電子雑誌向け告なども開発し出版社に提案する。
凸版はソニーやKDDIなどと共同で、電子書籍を様々な端末に配信する事業を年内に始める計画。新事業で配信事業を活用する出版社を開拓する。広告制作や配信代行なども含め、凸版印刷の連結ベースで2015年に500億円の増収効果をみこむ。

大日本印刷は書籍や雑誌ごとに著者や写真家、挿絵家などの権利者を一元管理できるシステムを開発し、9月にもネット経由で出版社に貸し出す。印税や原稿料の支払いルールなどを登録すると、毎月の支払い一覧作成や、著者などへの支払い通知書の発行まで自動化できる。これまで出版社では印税などの支払いを管理部門や担当者に任せ、手作業も多いという。
月額料金は30万円からで、大手出版社の刊行物をすべて管理しても800万円に収まるという。2012年に売り上げ5億円をみこむ。

印刷会社はすでにコンピューターを使った出版物の組み版から印刷の版下制作までを出版社から請け負っている。電子化が進んでいることを強みに、新サービスを売り込む。事業領域の拡大で出版社を支援するモデル構築を急ぐ。

2010/07/04,日本経済新聞 朝刊より

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