ファミリーレストランの販促活動がインターネット上を中心に話題を呼んでいる。
すかいらーくが独自のアイドルグループ「SKL39」を結成して宣伝活動を始めたかと思えば、セブン&アイ・フードシステムズの「デニーズ」はオタクであることも売り物にしたアイドルグループ「中野腐女シスターズ」のメンバーを販促に起用したほか、人気アニメ「けいおん!!」と商品でタイアップした。
ロイヤルホールディングスの「ロイヤルホスト」の秋葉原の店ではアニメ「WORKING!!」と組み、8月に特製コースターがあたるキャンペーンを実施する。
いずれもテレビCMや折り込み・投函チラシ、雑誌広告などかつての広告宣伝と一線を画す。起用するアイドルやアニメも幅広い層から支持を得ているというよりは、どちらかというと特定のファン層に支えられている印象が強いのが特徴。にもかかわらず、ほぼ同時期に大手3社が偶然にもそろったことはちょっとした驚きだ。
「まずは話題作りを」(すかいらーく)、「足を運んでもらうためのきっかけ」(セブン&アイ・フード)。ネット上に書き込む手間を惜しまない特定層が好むような話題を提供。こうした層の来店を狙うと同時に、コア層からネット上の話題に火がつけば、その後ろに控える多数の消費者にも自社の店舗に目を向けてもらえるとの計算も働く。
口コミマーケティングの一種であるが、一昔前なら「サブカルチャー」の一言で片付けられかねなかった販促手法に大手ファミレスが正面から向き合う。そこまで状況が苦しいとみるべきか、新たな効果的な販促活動が誕生したとみるのか評価の分かれどころ。日経MJのヒット商品番付に載るような商品が外食業界ではファストフードに偏るのは寂しい。新手の販促策で奮起を期待したい。
2010/07/23,日経MJより