東京都内の寺院で、音楽など様々なイベントを催し、お寺と縁遠くなった若者らをひき付けようとする動きが相次いでいる。常円寺(東京・新宿)は境内の入り口で移動式カフェを始め、了法寺(東京都八王子市)は寺を主題にした音楽CDを扱い始めた。各寺は「地域の活性化とともに、お寺や仏教に関心を持ってもらうきっかけになれば」と期待している。
JR新宿駅西口近くの常円寺は今春、「ロータスカフェ」と題して、境内の入り口に飲料を提供する移動販売車を設置。境内の木陰に7人程度が座れるいすも用意した。月末までは夏季休業中だが、平日の午前10時から午後3時までを中心に、コーヒーやマンゴージュースなどを販売する。
同寺の及川一晋執事長は「近くの高層ビルなどで働く会社員にくつろいでもらえている。開放的なお寺のイメージづくりにもつながっている」と手応えを感じる。
堂内にまつられる弁財天をモチーフにした美少女キャラクターのイラストを描いた看板を昨年置き、男性ファンらが訪れるようになった了法寺は8月中旬、同寺を歌ったCD「寺ズッキュン!愛の了法寺!」(1600円)を扱い始めた。同寺が製作した商品ではないが、中里勝孝住職は「仏教と接する機会の無い一般の人が関心を持つきっかけになる」と期待する。
都内では比較的広い敷地を活用し、音楽イベントに境内を活用する動きも相次ぐ。
「街の活性化に協力できるのなら…」。月窓寺(東京都武蔵野市)は地元で漫画雑誌の編集などを手掛ける会社が、コミックのPRと商店街活性化を狙って3月に開いた祭りで、本堂前の場所を提供した。即席ステージで繰り広げられた元「モーニング娘。」のメンバーによる歌や、津軽三味線によるライブなどを約700人の観衆が無料で楽しんだ。
都内でも後継者難や信者の減少などで休眠状態になる宗教法人は少なくない。各寺院とも様々なイベントを通じて、地域に密着した寺の存在をアピールしている。
2010/08/26, 日本経済新聞 地方経済面 (東京)より
了法寺テーマソング「寺ズッキュン!愛の了法寺!」
参考リンク:
日蓮宗 福聚山 常圓寺
日蓮宗 松栄山 了法寺