日本政府は昨年、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明した。コンテンツなど知的財産分野も対象になるが、主に模倣品や海賊版対策に向け規制強化の方向で議論される予定だ。
日本では著作権侵害を巡る通常の損害賠償では実際の損害分しか求めることができないが、法定損害賠償が導入されれば実損害の証明なく裁判所が賠償金額を決められる。現在は損害証明が困難なことなどで算定が少額にとどまることも少なくないため、権利を有する企業などが泣き寝入りするケースも多いという。米国では賠償額が高額になる例があり、日本でも知財訴訟が増える可能性がある。
また、現在は警察が海賊版の販売を摘発しても被害者が告訴しない限り処罰できない。ただ著作権などの侵害が「非親告罪」となれば、警察が独自に裁判に持ち込める。一方で「今まで権利者が問題にしなかった、ファンのネット上での2次創作などがしぼみかねない」(日本動画協会)という声も聞かれる。
アニメなどのキャラクターを扱う企業に与える影響は小さくないものの、知財分野を巡る法改正の方向性は明確でない状態だ。
内閣官房が関係省庁の意見を集約し昨年10月開示したTPP関連の資料では著作権や刑事手続きなどを「我が国にとり慎重な検討を要する可能性がある」と表現するのにとどまっている。早期に政府の姿勢を示してほしいと望む企業は多い。