日経朝刊の連載「ゼミナール 観光立国への挑戦」から抄録。
北大観光学高等研究センターの署名記事。
若者の旅行離れは深刻で、観光立国を目指すには若者の旅行需要の掘り起こしは重要だ。
そのカギが漫画やアニメのコンテンツ活用だ。
その典型例を「コミケ」に見ることができる。1970年代に始まったコミックマーケット(漫画の同人誌即売会)は昨年夏には3日間で55万人を動員した。
この漫画やアニメを基にした若者の旅行行動が地域活性化と結びつく例も出てきた。
人気アニメ「らき☆すた」の舞台、埼玉県鷲宮町の鷲宮神社は、いまやアニメファンの聖地になった。鷲宮商工会は角川書店や地元商店、アニメファンと協力し商品開発やイベントを実施している。
その影響で鷲宮神社への初詣客は2005年に8万5千人だったものが、2008年には30万人に急増した(埼玉県警地域課調べ)
アニメのファンが地域のファンにもなり、住民と交流しながら街づくりにも参加し始めている。ネットを通じて情報を入手した海外のファンも訪れるようになり、地域経済へのインパクトは大きい。
この他にも宇河弘樹氏の「朝霧の巫女」の舞台、広島県三次市も若者の来訪が目立つようになってきた。鳥取県境港市では水木しげる氏の「ゲゲゲの鬼太郎」、北海道洞爺湖町は空知英秋氏の「銀魂」を生かして若者をひきつける。
日本の漫画やアニメは海外でも評価が高く、若者たちをひきつける力がある。日本で育ち始めた「オタクツーリズム」は、新たな観光の原動力として重要になりつつある。
2008/08/19, 日本経済新聞 朝刊
朝日新聞が報じた「アニメの聖地巡礼中」のフォロー的な位置付けの記事。