人気アイドル歌手の初音ミクをご存じだろうか

ヴァーチャルアイドル初音ミク、幼さを残す16歳の少女の歌声が大勢のファンを虜にしている。
▼初音ミクは札幌のIT企業が開発した合成音声ソフトの商品名で、パソコンに旋律や歌詞を打ち込むと思い通りに歌ってくれる。操る側の技の差が歌唱力を左右し、初心者ではロボット風で不自然に聞こえる。「初音ミクの達人」たちが、ネットで自らの作品を競い合っている。

▼北京五輪では、後で合成映像だとバレた花火や少女に口パクで歌わせた演出が人々の失望を買った。
ちょうど同じころ東京で開いた「コミックマーケット」で起きた出来事は対照的だ。
架空の人間である初音ミクに扮したコスプレ女性が登場すると、一目見ようと人だかりができた。

▼実物を模した仮想。仮想から飛び出した実物。限りなく近づく二つの次元の近接点から「失望」と「熱狂」という正反対の結果が生まれる。その判断の境目は、裏切られたという感覚の有無だろう。技術は人の五感を簡単にだませる。ならば人は裏切りを見破る第六感を磨かなくては……。

ヘッドラインは2008/08/21, 日本経済新聞

日経の春秋欄が珍しく、サブカルと五輪の演出ネタを対比して記事にしている。

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