東京都には「青少年健全育成審議会」と呼ばれる青少年対策をメインにした諮問機関がある。
ここで例の「不健全図書」の指定もするのだが、同時に優良図書の推奨も審議している。
6月に開催された第577回の審議会では、実写版の「火垂るの墓」が優良映画の推奨を諮問されているが、この審議のもようを議事録で読むことが出来る。
議事冒頭では事務方による社会情勢の報告があるのだが、ちょうど秋葉原の連続殺傷事件のあとで、その話題のほか児童ポルノ禁止法の改正案についても予断を与える発言が興味深い。
実写版「火垂るの墓」の推奨審議過程では、高畑勲のアニメ版の印象が強いらしく、どうしても比較して劣る、子供には難しい、悪くはないがという意見が目立つ。
しかし強いて推奨に反対するほどでもないから、消極的賛成との印象。
事務局が出した議案を一応論議した後、反対なしで議案が成立。有識者会議のお墨付きが与えられる過程が見て取れる。
そのまま引き続き「危険な愛体験Special 2008年7月号」(つり案内社)を閲覧しながら不健全図書に指定する過程がシュールだ。
自主規制構成団体からの意見では、暴力的性交、擬音、異物挿入シーンなどが一般作としてはアウトで、成人指定していればセーフ。
子供が買いやすいかも審査ポイントで、680円と高額(?)だから価格はギリセーフらしい。しかし誌面に関係のない「愛読者プレゼントがバイブレーター」が問題とする意見があるのは不思議。
この審議会で「不健全図書」に指定され、かつ「成人向け」でないコミックや雑誌は取次が扱わなくなるため、事実上の発禁(流通中止)になる。ネット書店でも扱わず(少なくともAmazonでは扱わない)、ある意味「幻の図書」になるのだ。
直近では山本直樹のコミック「堀田 HOTTA 3」が8月11日付けで不健全図書指定を受けたので、流通が止まっている。ファンの方はお早めに。でも見つかるかな…神田なら大丈夫か?
余談だが第579回の「都民からの申出一覧」に「コミックマーケットについて」「同人誌即売会について」が記載されているが、果たして苦情なのだろうか。