テクモ、コーエーと経営統合へ―ゲーム再編招く承継問題

テクモは業界2位のスクウェア・エニックスの友好的TOBを受けながら、なぜコーエーとの連携に向かったのか。業界23位のテクモと同9位のコーエーの経営統合に向けた協議の裏の動きを日経MJから抄録。

スク・エニは2005年のタイトー買収以降M&Aを控えてきたが、豊富な自己資金の活用法を模索していた。
ゲーム市場が急拡大している海外に出遅れているという危機感もあり、「デッドオアアライブ」など海外に強いテクモを傘下に収めることで成長力を確保する狙いがあった。
しかしテクモでは、有名クリエーターが退職し、賃金未払い問題でテクモと法廷闘争を続けている。
今年9月には金融機関出身の前社長が「一身上の都合」を理由に突然退任。
中堅幹部の退職も相次ぎ、会長兼社長に就いた創業者の次男で医師の柿原康晴氏は早期に社内の混乱を抑える必要があった。

ゲーム業界再編の第一幕は2003年のスクウェアとエニックスの合併で、2004年にはセガとサミーが経営統合した。開発費が上昇に規模拡大を追求することで乗り越えた。
第二幕は2005年に玩具大手バンダイとゲーム大手ナムコが経営統合。異業種との統合で、キャラクタービジネスを多方面に展開する道が開けた。
再編によりソフト業界で残った有力なオーナー企業はカプコン、コーエー、テクモの3社になった。うちカプコンは創業者の長男の辻本春弘氏が2007年7月に社長を継いだ。ゲームの販売は好調で時価総額は2400億円に膨らみ「買収対象から外れた」(外資系アナリスト)
コーエーの創業者は襟川恵子名誉会長と襟川陽一最高顧問の夫妻。コーエーのゲームは「信長」「三国志」など国内市場が中心。成長市場とされる海外向け製品が薄いのが弱みだったが、テクモとは補完関係があるようにも映る。

テクモとコーエーが記者会見を開いた直後都内ホテルでコーエーの創業30周年記念パーティーでは、スク・エニの和田洋一社長が来賓あいさつで、和田氏はコーエーの創業者について「私の師匠でございます」と持ち上げるなど、大人の対応を見せた。
和田スク・エニ社長に今後の対応尋ねると「まだわかりません」と含みを持たせた。他社首脳も「何かあるよ。この業界は」と予測する。
再編の第三幕が上がった。

ヘッドラインは2008/09/05, 日経産業新聞

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