自治体キャラクターなぜ増える

自治体キャラクターが増えている。
自治体キャラは4、5年前から急増し、少なくとも数百種類はある。「ポケモンなどのキャラクターブームで、大人もキャラグッズに抵抗がなくなりました。そこで広告などよりもお金がかからず、手っ取り早く行政と住民の距離を近づけられる点に着目し、自治体が相次いで導入したのでしょう」(キャラクター・データバンク陸川和男社長)

滋賀県彦根市は「ひこにゃん」を彦根城築城四百年祭のキャラクターに選んだ。現在も彦根の「顔」として活躍中で、「2007年3月から11月までの四百年祭期間中の関連グッズ売上高は推計約17億円」(彦根市企画課)
商標を無料で使えるようにし、地元企業の振興にも一役買っている。

アニメなどをプロデュースするファンワークスとエージェント契約を結んだ東京都杉並区は「なみすけ」が人気だ。
「区内のセブンイレブンでなみすけパンが売られるなどして、区のイメージ向上に役立っています」(杉並区産業経済課アニメ係の田口昌実さん)
同区は消費者生成メディアと呼ぶ手法を導入し、口コミで人気を広げている。

これまで自治体の公募キャラは素人っぽいものが多かったが、最近の人気キャラは若手のデザイナーが考案したケースも多い。
「アニメを作るソフトなどが発達し、今は誰もが作品を制作できる『一億総クリエーター時代』。個人で仕事をしている人も多く、自治体の公募やコンペは実績を作る格好の場になっています」(ファンワークス高山社長)
自治体の公募はデザイナーにとって実績作りの場になっている。

地域でのキャラクター活用の動きは自治体以外にも広がり、ゲームソフト制作のアルケミストは、自社の若手が作った「びんちょうタン」をみなべ川森林組合(和歌山県みなべ町)に売り込んだ。

今後も自治体キャラクターは増えそうな勢いだが、粗製乱造を防ぐには自治体の目指す姿を踏まえコンセプトの明確なキャラクターの育成が必要という指摘も多い。

2008/09/14, 日本経済新聞 朝刊抄録

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