音楽著作権の譲渡詐欺事件、登録制度機能せず

小室哲哉容疑者による、所有していない著作権を譲渡できるよう装った今回の事件の背景には、不完全な著作権の登録制度と、正確な権利関係が分かりにくい構造的な問題があることが明るみになった。

作詞・作曲者は自らの著作権を音楽出版社に譲渡して運用してもらい、対価として印税を受け取るのが通例で、譲渡契約は書面だけ。不動産のように登記の義務は課せられていない。
文化庁は二重譲渡を防ぐため登録制度を設けているが「義務ではなく料金もかかるため利用が進まず、権利の所在証明として役に立たないのが実態」という。

小室容疑者は「僕は出版社から完全にインディペンデントしているから、著作権は全部僕の手元に残しておく契約になっている」と虚偽の説明をしていたが、被害者にはその真偽を確かめる公的な手立てが乏しかった。
業界関係者は「公的な裏付けがないまま著作権が取引されるため、詳しい権利関係を外部から把握できない仕組みになっている」と指摘する。

2008/11/06, 日本経済新聞 夕刊より

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