いしかわじゅん氏のシリーズ第2回。
・ロボットものに道付ける、科学者の目標に
戦後日本のロボット漫画は、まず自分の意志で動く形で始まった。
『鉄腕アトム』は1952年から『少年』で始まった。この人型のアトムがいたから、その後もロボット漫画は増え続け、日本の科学者は二足歩行ロボットの開発に拘り続けてきた。
アトムに並ぶヒーローは『鉄人28号』。横山光輝が『少年』で、56年から連載した巨大ロボット漫画だ。しかしこの鉄人には意志がなく、リモコンがあって、それを持ったものが鉄人を意のままに操ることができた。
このアトムと鉄人が、この後のロボット漫画を決定づける。
63年には、『8マン』が始まりアニメにもなって大ヒットしたが、作者の桑田次郎が拳銃の不法所持で捕まり、主題歌を歌った克美しげるが殺人で捕まりした受難の作品であった。
69年には、大ヒット漫画『ドラえもん』が始まる。作者の藤子・F・不二雄は、手塚治虫の直系。体形はだいぶ違うがドラえもんは、アトムの遺伝子を継いでいる。
鉄人に続く巨大ロボット永井豪の『マジンガーZ』が72年から、少年ジャンプで連載された。
鉄人は遠隔操作だったが、マジンガーは、操縦者の兜甲児が「パイルダー、オン!」のかけ声と共に、ホバー・パイルダーでマジンガーの頭部に乗り込み、直接操縦する。
・ハリウッドに影響
この乗り込み型は画期的で、後のガンダムやエヴァンゲリオンにもつながってくる。
永井豪の師匠の石ノ森章太郎も、このジャンルは得意で、72年に少年サンデーで『人造人間キカイダー』を描き、73年には少年マガジンで『ロボット刑事』を描いている。これはハリウッド映画の『ロボコップ』にも影響を与えたのではないかと囁かれた。
そして80年には鳥山明の『Dr.スランプ』が登場する。科学者の則巻千兵衛が作った眼鏡っ子アラレちゃんは、少年ジャンプで超メガヒットになった。
その後、大ヒットしたロボット漫画はない。科学技術も進みロボットに夢を託す時代ではなくなってしまったんだろうか。
しかし、ハリウッドが『鉄腕アトム』をアストロボーイ』というタイトルで、フルCGでつくり2009年の公開。まさかハリウッド版『ゴジラ』みたいにならないか、ちょっと心配。
ヘッドラインは2008/11/13, 日本経済新聞 夕刊