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クールジャパンの憂鬱、収益面の課題―アニメ制作、委員会方式で取り分減る

アニメやゲーム、漫画など、現代日本文化が世界で存在感を高めているものの、上場企業の業績は伸び悩んでいる。

1995年に劇場公開された「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」は、海外でも評価が高く、DVDは日本で30万枚、海外で130万枚売れた。
しかしソフトがいくら売れても作品を制作したIGポート(旧プロダクションIG)の収益にはほとんど貢献がない。
制作当時は財務に余裕がなかったIGは、制作を請け負っただけ。プロジェクトの共同出資者になれず、作品から上がる収益に対する権利はプロジェクトに出資した大手出版社などが保有しているためだ。

アニメ市場は内外で拡大してきたが制作会社の業績はさえず、東映アニメなど主要上場6社の経常利益は2007年度に31億円と、直近ピークの2005年に比べ約三分の一以下になった。
制作方式の変化がその背景にあり、作品ごとに「製作委員会」を作る手法に変わり、制作会社の取り分が少なくなるケースが増えてきている。
かつてアニメはテレビ局や玩具メーカーの資金で制作され、制作会社も多いときには権利の半分以上を持った時代がある。
ところが「委員会」方式のもとでは広告代理店や出版社などへ出資企業の幅が拡大し、制作会社の出資力の制約などもあって、持っている権利は、全体の10%前後に落ちているとみられる。

アニメ制作ベンチャーのGDHは制作会社の「復権」を理想に掲げ「脱下請け」を目指し自らファンドを組成。制作を主導し、収益の取り分を増やす試みに挑戦したが、不調に終わった。
借入金も組み合わせ、出資比率を3-5割に高めたがヒットが出ず、前期は30億円超の赤字で、今期で三期連続の赤字となり投資ファンド傘下で再建中だ。

委員会方式はリスク分散が効き、制作を容易にする利点もあるが、本数の増加で「一本当たりの売れ行きが小粒化した」(東映アニメの大山秀徳常務)こともGDHに逆風だった。
コンテンツビジネスで世界的大ヒットの収益に巡り当たるには根気よく出資を続ける必要があり、制作会社の財務力では限界もある。
民放テレビ局各社は番組制作費を軒並み削減。今後は制作本数の減少も予想され、ほかに収益源を持たない国内の制作会社は「淘汰の時代」(みずほ証券の小山武史アナリスト)を迎えると指摘されている。

その中でIGは原作の版権を押さえヒット時の取り分を増やす狙いで、昨年末に漫画出版社を買収した。海外での権利ビジネスに必要な法務部門の強化にも動き「逆風下、ビジネスの幅を広げ生き残る」と新たな企業形態の模索をはじめている。

2008/11/20, 日本経済新聞 朝刊より





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