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映像制作のTYO社長吉田博昭氏、利益追求を徹底、円谷プロなど50社傘下

日経産業新聞「起業人」欄より、アニメ制作会社や円谷プロなどを傘下に持つTYO吉田社長の人となりを抄録。

ティー・ワイ・オー(TYO)が円谷プロを買収したのは2007年10月。吉田博昭社長は2008年夏まで、ウルトラマンシリーズを企画制作する円谷プロダクションへ「週に2、3回」出向き、再建に奔走した。無駄を省き1年で実質赤字だった決算を黒字転換させた。
TYO社内での吉田は「人一倍利益を重視する」人との見方で一致する。
円谷プロの再建では、映画のエキストラ紹介やテーマパークなど不採算事業を中止し、実力不足の社員約40人弱を解雇した。
吉田は「脚本家なら作品を読めば力は分かる」と断言し、ウルトラマン関連の売上高に根拠の乏しい数字が含まれるなど、ずさんな経理を見つけて「放漫経営の結果か」と嘆いた。

TYOはCMや映画、アニメを制作する約50の企業で構成され、20社超はM&Aで子会社にした。
吉田はCMディレクター出身で、大学在学中にCM制作を始め、5度の転職を経て当時の最大手企業に入社。「ゆれるまなざし」のキャッチフレーズとマッチ棒の炎を使ったミステリアスな演出で女性の心をつかんだ資生堂のCMなど手がけた。
1982年に仲間とTYOを創業し、8年で年間39億円を売り上げた。
このころ映画制作に挑戦し「監督、原案、製作=吉田」という無理な体制で、日米で映画を2本出すも興行は惨敗。折しもバブル崩壊でTYOは初の減収。現場を離れ本格的に経営に専念する道を選ぶ。

まず成果報酬制度を導入。同時に子会社の運転資金を実質的にTYO本体が調達し、社員のモチベーションを高めつつ、制作費の無駄遣いを防げるよう工夫した。
仮に会社が赤字になっても良いが「その原因は明快でないといけない」という吉田流の美学がある。
吉田を慕ったディレクターが相次ぎTYOグループに入ったが、小さくても一国一城の主として仕事に向かわせた。連結子会社が50もあるのはそのため。
子会社同士がコンペで競合というケースも多く「勝負は堂々と」が今や全社の共通理解だ。

成長の秘訣は「独創的な作品を生み世間に認められたい」と願う社員に思う存分力を振るわせ、稼ぎを共有する仕組みだという。

よしだ・ひろあき 1967年(昭42年)早稲田大学高等学院卒。「高校では作家を目指した」。早大中退。1982年TYO設立、社長。東京都出身。59歳。

2008/11/28, 日経産業新聞より

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