労働者の街、東京山谷地区(台東・墨田)の簡易宿泊所では、不況や円高にかかわらず予約客で賑わっている。特にクリスマスから正月にかけては、28日から30日に東京ビッグサイトで開催される同人誌即売会「コミックマーケット」に参加するアニメやマンガ好きの「外国人オタク」が利用するという。
城北旅館組合に加盟する170軒のうち外国人の宿泊が多いのは11軒。1泊1000円から3500円で、フランス人の支配人を雇う店もある。推定で1日200人の外国人が宿泊しているという。最も多い利用者は欧州系の人たちで約4割強を占める。
旅館組合の副組合長によると「これまでのところ円高の影響はない」と言い切る。
アニメ好きの外国人の常連たちは宿泊費を節約して、秋葉原で買い物をしようとやってくる。例年、夏と冬のコミックマーケットの時期は満室が続き、「コミックマーケット目当ての外国人の予約が殺到している」と話す。
他の宿泊所の経営者は「円高の影響で外国人観光客の来日が減っているのは事実だが、日本に強い興味を持っている外国人は別だ。むしろ円高だと安宿の需要は高まる」と話す。
13日から宿泊しているスペイン人の大学生は「日本のサブカルチャーに興味があるので観光に来た。この地区はナイスとは言えないが、静かで安全だと思う」と話していた。
2008/12/17,朝日新聞 朝刊(東京)