バンダイナムコホールディングス(HD)が海外市場の開拓を狙い、アニメや特撮番組などコンテンツの海外発信に力を注いでいる。
バンダイは「ユーチューブ」に公式サイトを開き、昨年テレビ放送した短編アニメ「たまごっち」の配信を始めた。バンダイナムコHDが資本業務提携したフジヤマの技術を使い、日本語や英語、ポルトガル語など七種類の字幕を付ける。
作品ごとに複数の字幕を用意しておき、視聴時に作品の進み具合に合わせて視聴者が選んだ言語の字幕を配信していく仕組みで、ユーチューブの自動翻訳に比べ、誤訳が少ないという。
バンダイビジュアルは来年1月、サンライズと組んで新作アニメ「黒神 The Animation」を日本と米国、韓国でほぼ同時にテレビ放送する。3カ国語の音声を用意し、日本で放送してから24時間以内に米国、韓国でも放送する。制作時に3カ国語で音声を準備するのは珍しい。
アニメ関連グッズの商品化は、海外では放送のタイムラグの問題などで、効果的な投入が出来ていない。放送局と緊密に連携できる国内とは異なり「海外では放送がいつ始まるか直前まで分からない」「まだ放送が始まる時期が決まっていないため商談ができず、結果として商品の投入時期が遅れてしまう」
ユーチューブを使った配信なら、バンダイが自由に配信作品や時期を決定でき、商品投入の直前に作品を配信するなど計画的な商品展開もしやすい。視聴が多い地域や時間帯、利用者層を正確に把握でき、市場調査にもなるという。
バンダイナムコHDは連結売上高の25%にとどまる海外売上高を早期に50%に引き上げたい考え。そのためにはDVDや関連商品をうまく連携させて販売していくノウハウを早期に確立することが必須だ。
今回のネット配信はその一歩にすぎず、思うような効果を上げられるかどうかも未知数だ。
しかし、その取り組みはキャラクター玩具の海外展開に悩む競合他社にとっても気になるところとなりそうだ。
2008/12/19, 日経MJより