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チュンソフト、「428~封鎖された渋谷で~」イシイジロウプロデューサーに聞く

東京・渋谷を舞台に繰り広げられるスリリングな群像劇――セガが4日、Wii向けに発売した「428~封鎖された渋谷で~」の売れ行きが好調だ。
「サウンドノベル」と呼ぶ地味なジャンルながら、各社が力作を投入した12月第1週の販売本数ランキングで7位。ゲーム内容への高い評価が販売をけん引している。

「これって『街』の続編?」
428の存在が明らかになると、ネット上にゲームファンの書き込みがあふれた。「街」とはチュンソフトが98年にセガサターン向けに発売したサウンドノベルで、今も熱狂的なファンが多い。ゲームの内容に直接の関連性はないが、臨場感あふれる物語の進め方と迫真の雰囲気作りが、10年越しのサウンドノベルファンをうならせた。

開発を担当したチュンソフトのイシイジロウ・プロデューサー(41)は「映画や小説にはないゲームならではの表現ができた」と自信をみせる。
高精細なCG映像を駆使した最先端ゲームとは異なり、428は場面ごとに静止画を切り替え、音声で物語を盛り上げる構成。イシイ氏は「これが最も美しいゲームの形」と力説する。双方向性を持たせながら、物語の構造を純粋な形で表現できるという。

通常ならそこでストーリーは終わって「バッドエンド」でも、428ではバッドエンドに到達することが物語を読み進めるカギとして機能する。
「現実の人生と同じく、登場人物の運命の連鎖を実感できるゲームに仕上がった」と話す。
余分な表現をそぎ落とす一方で、ゲームへの没入感を高める映像にはこだわった。外部の映画専門チームの協力を得て「日本で最も撮影が困難」とされる渋谷の街を舞台に2カ月間の撮影を敢行。映画でも1カ月を超えるのは一部の大作のみで、ゲームとしては異例の長期間だ。撮影した写真の枚数は12万枚に上る。

兵庫県の西宮市で過ごした少年時代は、機動戦士ガンダムなどのアニメに熱中した。その後、実写映像へと興味が移り「学生時代は自主製作の映画を撮りまくった」という。1987年、リクルート関西支社に入社、その後カルチュア・コンビニエンス・クラブに移りデザインや映像制作を経験した。
ゲーム制作に携わったのは94年に日経ビデオバンクに入社してから。パソコンゲームなど2作品をつくり、2000年にチュンソフトに転身。「忌火起草(いまびきそう)」などを開発し、家庭用ゲーム分野で頭角を現した。
「映画、小説、ゲームなど表現の方法は様々だが、それを生かし切るから意味がある」というのが持論。サウンドノベル以外のジャンルでも新たなゲームの境地を切り開きたいと意気込んでいる。

2008/12/25, 日経産業新聞より





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