宮崎駿、大友克洋、北野武、村上春樹――。
1979年「カリオストロの城」1989年北野武など、日本のクリエーターたちが頭角を現した出世作の発表は、偶然にも西暦で下一けたが「9」の年が目立つ。
こうした作家たちの活躍で、日本発コンテンツに輸出産業としての位置づけが明確にされてきた。
経済産業省や映像業界団体主導で一昨年始まった「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」だが、中身は東京国際映画祭、東京ゲームショウなど、従来は個別に開催していたイベントが大半。
それでも来日したバイヤーに日本のコンテンツの総力を見てもらおうと共通のパンフレットをつくり、イベント間の連携も模索する。
このコ・フェスタの2009年の目玉は10月に予定される「アジア・コンテンツ・ビジネスサミット」の本格稼働。中国、韓国、香港、タイ、シンガポールから官民の代表者を招き、アジアのコンテンツ流通を活発にするためのポータルサイト制作に向けて議論する。
共同制作の目的は、日本から技術発信しアジアにクリエーターを増やすことだ。
各国にとってはアニメなどの生産国になることで、著作権保護の考え方の広がりや海賊版対策が期待される。
国際共同制作では先行して「三国演義」が動き出している。中国の中国中央電視台グループと日本のフューチャー・プラネットが共同制作した。年内に約50回シリーズで中国の家庭向けに流れる予定だ。
政府当局による審査が厳しい中国では、細部の表現調整だけで数カ月の時間がかかることも多く、経産省では「中国国営放送のお墨付きでコンテンツ制作ができた意義は大きい」とみている。
他には米ハリウッドの映画会社が、漫画など日本のコンテンツに原作を求める動きも加速した。2009年は格闘ゲームのストリートファイター、アニメの鉄腕アトム、ドラゴンボールなどが米制作の実写映画で公開される。
2007年に13兆円だったコンテンツ市場の規模を、2015年までに5兆円増やすのが政府の目標で、海外売り上げは3800億円から1兆1000億円へ約3倍にする。
「国を挙げてビジネスに取り組み始めたのは今世紀に入ってから。それまでほぼ何もなかったため、他国で当たり前の優遇税制の整備など、やるべきことは多い」(青山学院大学総合文化政策学部内山隆教授)
円高の逆風もあるが、日本のコンテンツの質は依然高い水準にあり、今年は日本の存在感が高まる場面が増えそうだ。
2009/01/01, 日経MJより