国内で録画したテレビ番組をインターネットを使って海外でも視聴できるようにするサービスは著作権法に違反するとして、NHKと民放9社が日本デジタル家電(浜松市)の事業差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知的財産高裁(田中信義裁判長)は27日、差し止めと賠償を命じた一審判決を取り消し、テレビ局側の請求を棄却した。
このサービスは、利用者が国内の施設内に設置されたハードディスクレコーダー「ロクラクII」の親機を遠隔操作して番組を録画し、子機に転送して海外で視聴する仕組み。
田中裁判長は「番組を録画、転送しているのは利用者自身で、著作権法で認めた私的使用のための複製に当たる」と認定。「運営会社は利用者の自由な意思に基づく適法な行為をサポートするにすぎない」と判断した。
一審・東京地裁は昨年5月「国内に設置した親機は運営会社が管理しており、私的複製には当たらない」と著作権法違反を認定していた。
同高裁は昨年12月、テレビ番組をネット経由で転送する「まねきTV」を運営する永野商店(東京)をテレビ局側が訴えた訴訟の控訴審判決でも「一つ一つの機器は利用者に送信しているだけ」として請求を棄却、テレビ局側が上告している。
インターネットを活用したテレビ番組を転送するデジタル技術の発展を踏まえ、サービスを適法と認めた今回の判決は、相次ぐテレビ局側の差し止め訴訟に対し、大きな影響を与えそうだ。
2009/01/28, 日本経済新聞 朝刊より