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パイオニア、プラズマTV撤退、戦略ミスで宝失う

パイオニアは12日、プラズマテレビからの撤退を柱とする経営再建策を発表した。
1997年に世界で初めて民生用プラズマテレビを発売し、一時は5割超の国内シェアを誇ったが、市場環境の変化より自らの戦略ミスが致命傷となった。

10年前、欧州家電最大手のフィリップスとの提携話を「当社には技術力があり、単独で大丈夫」と技術畑出身の当時のトップが強く反対し、合意直前で破談になった。
パイオニアの中興の祖と呼ばれた故・石塚庸三元社長は「テレビには手を出してはいけない」と何度も語っていた。石塚氏は東芝出身だけに「テレビ事業の固定費負担が重いことを知っていた」
石塚氏亡き後、パイオニアはテレビ事業に単独で足を踏み入れることになった。

大手メーカーの攻勢を受けシェアは低落した起死回生の一手。2004年夏、400億円を投じてNECの事業を買収。その2004年末NECの有力なパネル外販先だったソニーがプラズマTVから撤退。パイオニアはNECから鹿児島県出水市の工場を手に入れたが、直後に販売先を失って事業の前提が狂う。これが実力の過信に次ぐ第二の誤算となった。

より致命的だったのは、2006年に就任した須藤民彦社長のもとでの“迷走”。
前任の伊藤周男氏から事業の立て直しを託された須藤氏は規模拡大のために山梨県南アルプス市に新工場を建設することを決め、用地まで取得した。
一方、商品面では高画質を売り物にした新ブランド「KURO」を投入、価格競争と一線を画すべく高級路線を突き進んだ。
だが規模と高級路線は本質的に両立しにくく、さらに価格下落が加速しており、環境は最悪だった。「性能がよくても競合製品と2倍近い価格差があっては売れない」

2008年度にはパネル生産から撤退、パナソニックから調達して組み立てのみを継続することを決めた。手付かずだった液晶テレビも資本・業務提携したシャープから調達して欧州で販売を開始した。だが、昨秋から市況は大幅に悪化し、撤退を決断せざるを得なかった。
しかし過去5年間の最終赤字の総額は2000億円を突破。
改めて事業の柱に据える方針を決めた車載機器事業にも、自動車の生産減という猛烈な逆風が吹き付ける。
プラズマ事業で重ねた過ちを糧として本業を強化できるか、パイオニア再建はまだ遠い。

2009/02/13, 日経産業新聞より



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