外資、新BS放送に照準、ディズニーとFOXが免許申請

米ウォルト・ディズニーが23日、日本法人を通じ総務省に無料放送による新BSチャンネルの放送免許を申請した。CSなど有料放送の世帯普及率が2割程度で頭打ちとなるなか、BSに成長機会を見いだす。
ディズニーは新BSチャンネルを「女性と家族層向けの娯楽チャンネル」と位置付け、ドラマや実写映画などで番組を編成する方針。すでに保有する「ディズニー・チャンネル」などCSの有料2チャンネルは子供向けで、大人向けのBS新放送とすみ分けできるとみている。
広告市況の低迷を受け、放送業界では「有料放送の方が有利」との受け止め方が多いが、ディズニーはあえて「無料放送」で申請したのは「免許さえ取得できれば、十分に事業が成り立つ」との読みがあるからだ。
新チャンネルには映画から放送、テーマパーク、ホテル運営まで手掛けるディズニーのコンテンツを総動員し、ディズニーの多様な娯楽ソフト、サービスを売り込む。
ディズニーはBSの新チャンネルに地上波向け広告を取り込む戦略を描く。広告主向けに、「視聴率を精密に測定する手段も整える」としている。

2011年に追加される新BSチャンネルには、米ニューズ・コーポレーションのテレビ部門「FOX」も免許申請するなど、外資の積極姿勢が目立つ。外資は放送が始まる2年後の景気回復や、地上波の無料放送が強い日本市場の構造変化を織り込み、リスクを取る構えだ。
FOX日本法人は23日、有料放送のBS免許を申請した。
「BS FOX(仮称)」ではドラマなどの娯楽番組やニュースを総合的に編成し、FOXが抱える多様なコンテンツを視聴者に売り込むためのポータルチャンネルと位置付ける考え。
BSチャンネルを保有するには、中継機の使用料などのインフラだけで年間10億円程度の固定費がかかるとされるが、外資があえて参入に踏み切るのは、世界で2番目の娯楽市場である日本を未開拓のまま放置できないからだ。
FOXのアジア地域担当幹部は「日本での事業を3年後に2倍、5年後に4倍にするため市場に深く入る」と言明する。

視聴者から見れば、外資メディアの有力番組が手軽に楽しめるようになる。BSで外資の有力チャンネルが台頭すれば、地上波主体の業界構造が変化する可能性がある。
今回は民放各社も新BS枠を埋めるだけの体力はなかったようだ。民放系BS局ではビーエスフジが4月からゴールデンタイムに毎日2時間の報道番組の新設が目立つ程度。
総務省は23日夕、免許申請の受け付けを締め切り、6月にも追加チャンネルの免許割当先を決める。

2009/03/24, 日経産業新聞より

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