女性・若者に照準、時代モノ、幅広いファン層開拓

これまで50歳代以上の男性が中心だった“時代モノ”が、最近は女性や若い男性の間で盛り上がっている。関連各社はジャニーズタレントを起用したり、時代小説新作を文庫本として発売したりするなど、新たなファンの育成に努めている。

今年で30周年となるテレビ朝日系の老舗時代劇「必殺仕事人」が好調だ。視聴率は現在14%前後。10代の女性など新たな視聴者層が増えているという。“仕事人”を演じるジャニーズ事務所のタレントの人気とともに、脚本づくりや画の構成にも現代風の配慮をこらし感情移入しやすいストーリー展開にしている。従来の時代劇ファンからは「なじみにくい」といった指摘も出ているようだが、この新しさが話題になりファン層の拡大につながった。
数年前までは地上波全局に連続時代劇の枠があったが、視聴者の中心層が50歳以上でスポンサー離れが進み、現在は3つ。若者や女性の視聴者獲得は時代劇番組全体の課題となっている。

出版では双葉社の文庫版時代小説が人気を呼んでいる。けん引役は佐伯泰英氏の長編小説「居眠り磐音 江戸双紙」。
あえて新作を文庫本で発売し手軽さをアピールし、2002年からの累計発行部数は7月にも1000万部に達する見込み。時代小説の読者はほとんど男性だが、磐音シリーズでは現在女性が半分を占める。

東映アニメーションの時代劇アニメ「ねぎぼうずのあさたろう」はドラマなどとは逆に、年齢の高い層にファンを広げている。「5歳前後の子供を想定したが高齢者にも好評」(東映アニメ)で、放送するテレビ局を近く4局から6局に拡大する。
「ご当地色」を演出しやすいのも時代モノの特徴で、アニメ制作のIGポートは「戦国BASARA」の放送を4月からTBS系列で始め、伊達政宗らのおひざ元である宮城県の企業と業務提携した。ラベルにキャラクターを使用した地ビールを発売したところ、最初の3日間で通常の3カ月分が売れたという。

消費不況や広告市場の低迷でコンテンツ関連業界には逆風が吹くが、時代モノで幅広い年代層のファンを掘り起こし、新たな収益源の確立が期待される。

2009/04/06, 日経産業新聞より

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