「乙女ゲー」、手軽さでケータイ市場に拡大中

「乙女ゲーム」「乙女ゲー」などと呼ばれる女性向け恋愛シミュレーションゲームの人気が高まっている。かつては一部のコアなファンだけのものだったが、携帯電話でサービスが提供されるようになったことで、一般のOLや女子学生にもユーザーの輪が広がってきた。

ある19歳のユーザーは現在5つのゲームに会員登録し、毎日30分以上携帯ゲームを楽しんでいる。それまで恋愛コミックは読んだことはあってもゲームはやったことがなかったが、ネットで知り、軽い気持ちで登録したが、すぐにのめり込んでしまったという。「キャラクターとのやりとりがリアルで自然な感じがいい。友達から恋の相談を受けた時の参考になる」
ゲーム歴1年の25歳の女性ユーザーは夢中になる理由を「小説を読むような感覚で出来るから。たくさんのイケメンからいっぱいモテる展開が、現実にはあり得ないけどどうしても次が知りたくなってしまう」と説明する。

『恋人は同居人』シリーズを提供するボルテージの津谷祐司社長は「ライトな感覚で恋愛ドラマ自体を楽しんでもらえるところが受けている」「攻略するためにシステムが複雑だった従来のゲームは、視点が男性的。一般的な女性はドキドキしたりちやほやされたりに期待している。余計なコトをせずにストーリーだけを楽しめる軽い作りが、ゲームになじみがなく抵抗感を持っていた女性もひき付けた」と話す。
「社内でグッとくる男のしぐさを研究したり、20代前半の若手女性社員にデートスポットなど今旬なモノ・コトの情報をリサーチしてシーンのサンプルを増やしたりしている」という。現会員は延べ約55万人と1年で3倍近く増えた。「ケータイ小説ユーザーからも流れてきているよう」

リンクシンクが昨年9月にサービスを始めたSNS連動型の恋愛シミュレーションゲーム「ウェブカレ」は半年で約10万人の会員を獲得した。
「乙女ゲームとかを知らない普通の女性が楽しめるゲームを目指した」「ケータイやパソコンはブラウザーを開くだけで始められるので、着うたや着メロを普通に利用する女性たちに入りやすいと思った」と開発者。
「仮想恋愛だがよりリアルに」と考え「現実と同じ時間の経過」を重視しており、4月1日はエープリルフールということで、主人公がうそをつくイベントを仕掛けた。昼なら授業中、夕方は放課後、夜は自宅とシーンと利用者の時間軸に合わせた。都内で雪が降った時に、ゲーム内で雪を降らせたこともあるという。
「ゲーム内では『今日は疲れてるみたいだね』など、ありふれた言葉だけど現実の恋人や夫がなかなか言ってくれない言葉を言わせて「癒やし」の要素も入れ込んだ。
ウェブカレ会員の年齢構成は20代が50%で10代が36%とケータイ世代が中心ではあるが、30代も13%いる。「恋人や配偶者の有無はわからないが、書き込みなどを見ていると、現実の恋愛関係に不満があって、ゲームの中で『キレイだね』などと言われることで発散しているようにも思える」と開発者は話す。

NTTドコモによると、携帯での恋愛ジャンルのゲーム数はこの1年で4倍の80タイトルに、ユーザー数は30万人超で増え続けている。今後も市場は拡大しそうだ。

2009/04/06, 日経MJより

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