5日付の日本経済新聞朝刊中村伊知哉慶応義塾大学教授の「経済教室」欄より。
中村氏は今回の震災と原発事故からの短期的な復旧対策はもちろんだが、日本の産業復興には文化力を軸にした中長期的な政策が必要だと説く。
○強い日本のコンテンツ、産業としては弱く
○文化イメージが他産業を押し上げる効果
○日本の持つ力を日本人が認識できていない
昨年パリ郊外で開かれた「ジャパンエキスポ」には4日間で18万人が足を運んだ。
フランクフルト大学の日本学科には一昨年100人、昨年は200人の学生が集まったという。米国では年間20回近くアニメファンのイベントが開催され、アジアでも日本のポップカルチャーは評判が高い。
世界で放送されているアニメの6割が日本製とされ、米国やフランスでは右手で開く右とじの日本マンガの翻訳版が書店に並ぶという文化史上画期的な現象が進んでいる。
海外で奮闘しているとはいえ、国内の市場規模は減少に転じつつある。マンガ売上は1997年の5700億円から2009年には4200億円まで縮小。アニメ制作時間数は2006年をピークに減少し、DVDの売り上げも減少している。ゲームも国内市場は2008年から減少に転じている。また、収入の海外比率は4.3%と米国の17%に遠く及ばず、コンテンツ全体の国際競争力は高くない。
打開策の一つとしてエンターテインメントに家電、ファッション、食といった日本の強みを組み合わせ、総がかりで海外進出を図る「複合クールジャパン」。
政府には異業種を連携させ、タテ割り省庁の壁を越えて取り組むるコーディネート役を期待したいと中村氏は言う。
しかし最大の問題は、われわれが日本の持つ力を認識できていないことだ。日本にいる外国人に聞けば、日本人が気づいていない財産を知らされることもある。
子どもがケータイと化粧セットを持ち歩き、様々な商品が自販機で売られ、マンガ喫茶、24時間営業のコンビニ、回転ずし、宅配便、交番という地域システム、子どもが給食当番を務める教育システムなどは中村氏が留学生などから聞いた自国に持ち帰りたいものの例だという。
身の回りに眠る日本の魅力を掘り起こし、ハードとソフトを組み合わせた総合力を発揮できれば、新しい成長エンジンの芽も見えてくるだろうと記事は結んでいる。
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弘前大、漫画誌広告“連載”効果、志願者急増
弘前大(青森県弘前市)は受験シーズンを前にした昨年12月から今年1月にかけて5回にわたり「週刊少年マガジン」(講談社)の裏表紙などにカラーの1ページ広告を掲載した。
受験生の注目度を高めようと異例の広告掲載だったが、関係者の話題を集め、志願倍率の向上にも一役買ったとみられる。
弘前大は国立大と知られていないのというのが悩み。漫画誌への広告掲載には「大学としてふさわしくない」との批判も懸念されたが、上層部は「『新しいことに挑戦する精神』を印象付ける」とゴーサインを出したという。
昨年3月には、少年・少女漫画誌6誌にも広告を掲載しており、ユニークな内容が広告業界から高い評価を受けた。
全国的な地元回帰志向に加え、広告も功を奏したのか、この春の一般入試の志願者は前期3.5倍、後期11.8倍と過去8年間の平均倍率で最高となった。
弘前大は「広告の効果とは言い切れないが、幅広い層に大学を知ってもらえる機会が増えた」として、さらなる広告戦略を構想しているという。
JAXAなど、国産ヒト型ロボを宇宙ステーションに常駐
15日の日経新聞朝刊が伝えるところによれば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東京大学、電通は国際宇宙ステーションに国産ヒト型ロボット(コミュニケーションロボット)を常駐させる計画に乗り出す。
ロボットは飛行士と会話して顔色や表情からストレスの状態を解析し、地上にデータを送って改善に役立てることも検討する。人間の言葉を理解し表情をくみとって会話や意思疎通ができる機能を持たせる。ロボットが地上と交信したり、ツイッターで宇宙から情報発信したりできるようにする。2013年にも打ち上げる計画。
こうした機能は遠隔地にいる高齢者向け在宅ロボットの開発などに応用できるとみているという。