サブカルの街中野、商店主らが観光協会設立

サブカルチャーの発信地として人気が高い東京・中野区の商店主などが観光客誘致による地域の活性化を狙い、来年3月に観光協会を設立する。区内の商店主や企業経営者、ゲストハウスの経営者らが集まり、中野区観光協会準備会を設置。2012年3月に正式に協会を立ち上げる方針。数年内に株式会社化を視野に入れる。

中野駅周辺には漫画専門店「まんだらけ」が入居する「中野ブロードウェイ」が立地するほか、コンサートや試写会を開く「中野サンプラザ」などもあり、アニメや漫画など日本のサブカルチャーの集積地として外国人の認知度も高まっている。
ただ区内には小規模な飲食店が多いため、宿泊や飲食は新宿区など近隣に足を運ぶ観光客が多いという。
協会設立後は各施設と商店街などが協力体制をつくり、集客を区内の消費に結びつけたい考え。ご当地グルメの「つけ麺」を生かしたイベントの企画・運営や外国人にもわかりやすく紹介した手引書の作製なども手掛ける方針。

JR中野駅前では現在、早稲田や明治の大学キャンパスやオフィスビルを含む再開発が進行中。観光協会はこういった大学との連携も模索する方針。早稲田大学が留学生向けの学生寮を開くことから、留学生を活用した外国人向けガイド事業や、各大学の学生と協力した中野のお土産の開発などを提案する。
再開発エリアに区などが整備する大規模な防災公園を、中野で盛んなサブカルチャー関連の祭りなどに活用できるよう、区に申し入れる。味噌メーカーなどと連携した独自商品も開発し、5年以内には協会自身の利益で運営経費を賄うことを目指す。

東京23区内には「しながわ観光協会」や「中央区観光協会」など観光協会に類する団体があるものの、行政や観光事業者が主体となって運営している例が多く、商店街などの民間主導で観光協会を設立する例は珍しい。これまで中野区には観光産業の振興を目的とした団体がなかった。

出版大手、ラノベを突破口に勢力拡大を狙う

中学・高校生を中心に人気のエンターテインメント小説、ライトノベル(ラノベ)に大手出版社が力を入れている。
講談社は2日にラノベ文庫を創刊。集英社も新雑誌でラノベに本腰を入れ始めるなど、出版大手は強みの漫画で培ったノウハウを生かし、ラノベ市場で大きなシェアを占める角川グループホールディングスを相手に勢力拡大を狙う。

講談社は読者層を10代半ばから20代までの男性に絞った「講談社ラノベ文庫」を創刊した。
同文庫の渡辺協編集長は文芸作品との大きな違いを「作家ではなく作中人物にファンがつくところが漫画に近い」と説明する。小説の場合は文芸担当の局に置く編集部を、同文庫については漫画担当の局に設置した。漫画との親和性をさらに高め、人気キャラの創出を目指すほか、人気漫画のラノベ化にも取り組む。

集英社は10月に創刊した雑誌「スーパーダッシュ&ゴー!(SD&GO!)」は同社のラノベレーベル「スーパーダッシュ文庫」の編集部が担当し、同文庫の人気作を漫画化する。同文庫の高橋博副編集長は「ラノベを漫画化すれば、活字に抵抗がある読者にまで裾野を広げられる」、「人気作はアニメ化やグッズの製作など様々なメディアミックスが可能になる」と語る。「ジャンプSQ」など既存の漫画雑誌にもラノベ原作の漫画を掲載し、漫画の読者の取り込みも狙う。

出版科学研究所によると、2009年の文庫の総販売額1322億円のうち、2割強の301億をラノベが占めた。出版不況の中、各社の期待は大きい。

角川、アマゾンとの電子書籍交渉妥結間近か

米アマゾン・ドット・コムが電子書籍事業で日本参入を計画していることについて、角川グループホールディングスの角川歴彦会長は8日、契約交渉が「かなりいいところまで来ている」、電子書籍の価格面など「11条件について交渉を煮詰めている」と、都内で開いた電子書籍などについての座談会で語ったという。

角川会長によると「1年間、ハードな交渉を続けてきた」。アマゾンが提示する契約条件には「厳しいものもある」と指摘する一方で、「話し合えば解決の糸口は見えてくる」とも述べた。アマゾンに電子化の作業を全面的に委託した場合、電子書籍価格の55%を同社が求めていることも明らかにした。

アマゾンは年内にも日本で電子書籍の購入サイトを開設する考え。大手出版社との契約交渉がまとまるかどうかが、事業の成否に大きな影響を及ぼす見通しだ。